2016年8月5日金曜日

癌をやっつける「カミカゼ」バクテリアのお話

Scientific Americanの記事によれば癌を殺す薬を積み込んだ「カミカゼ」バクテリアが癌の深層部を攻撃するという研究が進んでいるそうです.

Kamikaze Bacteria Attack Deep Tumors with Deadly Carbo

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抗がん剤を産生し,自爆するように遺伝子操作されたサルモネラ菌を患者に経口投与すると,サルモネラ菌は腫瘍の内部に入り込み,増殖しながら抗がん剤を産生しますが,ある数以上に増えると自爆装置が働いて分解し,内部に溜め込んだ抗がん剤が放出されるという仕組みです.

カミカゼバクテリア単独では化学療法以上の効果は見られなかったそうですが,化学療法と組み合わせると転移性肝臓癌の大きさが縮小,平均余命も50%増加したとのこと(マウスを用いた実験).

自爆テロの報道でカミカゼ(フランス語の発音だとカミカズって聞こえる)という語を聞くことが多くなり,悲しい思いをしていましたが,こんな「カミカゼ」なら大歓迎.

化学療法が不得意な腫瘍の奥深くに侵入して癌をやっつけてくれる.

もっとそんなカミカゼバクテリアの出現に期待したいと思います.