2017年に発表された化合物たちの中で,特にかっこいい幾つかの分子が,アメリカ化学会発行のC&ENで紹介されています.
題して「モレキュール・オブ・ザ・イヤー」
まずご紹介するのは,新しく咲いた「サルフラワー(sulflower)」過硫酸化コロネン
「サルフラワー(sulflower)」とは分子構造が「ひまわり」(sunflower)の花に似ていることと,硫黄原子(sulfur)で水素が置換されていることからついたあだ名です.
過硫酸化コロネンは,完全に硫黄で置換された多環式芳香族炭化水素化合物として世界初の化合物.
次は「新分子スター誕生」
星型の五角形をしたこのパラジウム錯体も今年発表された分子です.
この分子がユニークなのはその形だけではありません.二つの異なる非キレートリガンドによる自己集合マルチコンパートメント5核錯体として世界初のものなのです.
自己集合錯体は通常1種類のリガンドが金属を結合して生じます.さらにリガンドもキレート性のもの(リガンド中の2個(またはそれ以上)の原子が同じ一つの金属に結合する)が多いのです.
この星型化合物は細胞類似のケージ状分子の合成を可能にし,将来バイオメディカルな用途に使われる化合物の創生に役立つだろう,と研究者らは期待しています.
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