2021年3月17日水曜日

光合成をする緑色のウミウシが自らの生き残りをかけて行うのは?衝撃ビデオ映像

コノハミドリガイ(海遊館サテライトギャラリー「ウミウシminimini水族館」より)

緑の植物は水と二酸化炭素と光さえあれば、自らブドウ糖を合成し、生きていくことができます。

もし私たちの皮膚にクロロフィルが含まれていたら、夏の海辺でソーダを飲みながら日光浴しているだけで、生きていけるわけですね。(皮膚が緑色になるという点には目をつぶらなくてはいけませんが。。)

ところで、それを実際に行なっている動物がいるのです。(海辺の日光浴ではなくて光合成の方ですョ)

上の写真のコノハミドリガイというウミウシは、食べた海藻に含まれていた葉緑体を自分の体に取り込み、光合成をする数少ない動物の一種。(ちなみに葉緑体は自分では作れないので、海藻を食べずにいるとだんだんと色は白っぽくなってしまうそうです。)

そんなコノハミドリガイですが、最近興味深い事実が論文で発表されました。

体が寄生虫に侵されると、自ら頭部と胴体を切り離し、新しい胴体を再生して生き延びていくのです。トカゲが自らしっぽを切って敵から逃げるという「自切」は有名ですが、心臓がある胴体を切り捨ててしまう例は初めての発見。

この研究は奈良女子大学の大学院生三藤清香さんが遊佐陽一教授とともに、論文を2021年3月8日付けの米科学誌カレント・バイオロジーに発表したものです。

この動画、切り離された頭部が胴体の周りを名残惜しそうに泳いでいるように(私には)見えてなりません。

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ちなみに、地球温暖化を解決するひとつの有力な方法として現在人工光合成が話題を集めています。緑の植物が水と二酸化炭素を原料に、光のエネルギーを利用してブドウ糖を産生するためにはクロロフィル(葉緑素)が必要ですが、その活性中心にあるのがマグネシウム錯体。現在、人工光合成のためのさまざまな金属錯体の研究が進められています。