最後の更新からあっという間に1年!
すっかりご無沙汰いたしましたが,先月フランス語の学校を卒業し,宿題に追われた(?!)学生生活にもピリオドを打ちましたので,ブログを再開いたします.
さて,皆さんは 赤外線の存在にいつ誰が気づいたのか,ご存知ですか?
実は天王星の発見者として有名な,ウィリアム・ハーシェル(Sir Frederick william Herschel)が 1800年にプリズムと温度計を使って赤外線を見出したのです.ニュートンにならって太陽光をプリズムで分解したハーシェルは,青よりも黄,黄よりも赤の光の温度が高いこと,そして赤色の外側の暗い場所の温度がさらに高いこと,つまり目には見えないある種の光(赤外線)が存在することに気づいたのでした.
この実験の様子を,カリフォルニア工科大学が簡単な英語と写真で解説しています.
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” ...Herschel was interested in measuring the amount of heat in each color. To do this he used thermometers with blackened bulbs and measured the temperature of the different colors of the spectrum. He noticed that the temperature increased from the blue to the red part of the spectrum. Then he placed a thermometer just past the red part of the spectrum in a region where there was no visible light and found that the temperature there was even higher. Herschel realized that there must be another type of light which we cannot see in this region. This light was called infrared.”
告白すると,これまで赤外線がどのようにして発見されたのか,全く知りませんでした.
白色光を分解して得られる虹の7色のそれぞれの温度を測定するなんて,着眼点が素晴らしいですね!
このエピソードを知ったきっかけは,3月に発売された「赤外分光30講」(山崎昶 著 朝倉書店).IRスペクトルは私が大学生だった頃(もう40年前のことです!)から今に至るまで,機器分析の重要な手法ですが,実は,私には有機化学の学生実験でIRを使って混合物の分析をするのが本当に大変だった,という苦い思いがあるのです.(; ;)
今回,山崎先生の「やさしい化学30講」に取り上げられたので,当時を思い出しながら,私も今改めて赤外分光の復習中です.
山崎先生ならではのエピソードや薀蓄の溢れたこのご本.赤外の勉強を始めたばかりの学生さんのみならず,化学に興味のある一般の方や高校の先生方にとってもきっとすごく参考になると思います.書店で見かけたら,是非一度お手にとってご覧ください.
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