このほどイーモラ(イタリア)の地下の石墓から発掘された1300年前の女性の遺骨は人々を驚かせました.
彼女の両足の間には胎児の遺骨があり,そして彼女の頭蓋には穴が開いていたのです.
母親の骨盤の下に見られる胎児の遺骨はおそらく「棺内分娩」で母親の死後に生まれたものと思われます.棺内分娩とは妊婦の死後に遺体から発生するガスの圧力で胎児の遺体が体外に押し出される現象です.
考古学の発掘では非常に珍しい事例ですが,さらに珍しいのはこの母親の頭蓋に奇妙な穴が開いていたことでした.
調査により,この穴は穿頭術(trepanation)と呼ばれる原始的な脳外科の技法であったことがわかりました.頭蓋内圧を低下させ,高血圧などの症状を和らげるために行われたのです.
残念ながら患者は術後1週間あまりで死亡し,埋葬後胎児(すでに死亡していた)が母親の胎内から押し出される,という珍しい事例となりました.
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