2017年12月31日日曜日

この星で一番大きな音を立てる,コルビナは美味しいお魚

2017年の締めくくりにお届けするのは,この地球で一番うるさい魚.コルビナの立てる大音響のお話.

さて,コルビナってどんな魚かというと...

毎年春になるとカリフォルニア湾の北部,コロラド川デルタに集まり,3か月の間,1週おきに2,3日の間引き潮とともに産卵を続ける.

その間雄は浮き袋の周りの筋肉を動かし浮き袋を反響させて「コルビナ・サウンド」と呼ばれる音を発します.何十万匹もの魚が発する音の大きさといったら...

ロックバンドのステージから1mの場所で聞こえる音量よりも大きい...この星の水中の生物が生み出す最大のノイズ...

それは,イルカの聴力にダメージを与えてしまうほどの威力...

そんなコルビナは実に美味しいお魚で,揚げたり,焼いたり,タコスに挟んだり...
人間に乱獲され,この音が聴けなくなってしまうのは寂しい限り.

これからも元気でいてね!

60-Second Science(コルビナの大音響)を聞く

2017年12月30日土曜日

膝の痛みと天気は関係しているのか?ビックデータからわかったこと

膝が痛むから,嵐がやってくるのがわかる.などとおっしゃる方もおられますが,本当に天気と体調とは関係があるのでしょうか?

私たちの体は天気のバロメータであるという考え方は古くからありました.
実際雨の日に関節が痛んだり,体がこわばると感じる人は大勢います.

ところが,150万人の高齢者を対象に悪天候と受診(膝や背部痛で医療機関を訪問したかどうか)との関係を調べたところ,相関は見られなかったのでした.

この研究はハーバード・メディカル・スクールとマサチューセッツ総合病院に勤務する医師らにより行なわれました


さてここで質問です.
紀元前400年ごろ,「私たちの体は天気のバロメータであるという考え方」を主張したのは次のうちの誰?

1)ヒポクラテス
2)プラトン
3)アリストテレス

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答え)1のヒポクラテス.英語ではHippocrates.発音がhi-ˈpä-krə-ˌtēzとなるので慣れないと聞き取れないですね.

今回のビッグデータ解析で,悪天候と受診の間に相関が見られないからと言って,天気(湿度や温度など)が関節の痛みに影響を及ぼさない,と言い切ることはできない...人の体はやはりとても複雑で,まだまだ謎が多いですね.

2017年12月29日金曜日

太陽エネルギーをもっと有効に得るために...

砂漠に太陽パネルを設置して発電している会社が,現在サバクゴファーガメ(desert tortoise )を保護するため大枚6000万ドルも使っているというニュースには驚きです.

その手間をかけて砂漠に設置するよりも,まだまだ太陽パネルの設置場所は他にたくさんあるのでは?と語るのはカリフォルニア大学デービス校のエコロジストであるヘルナンデスさん.

さて,ここで質問です.次の中で太陽パネルの設置場所として実際に提案されているのはどこ?

A) 屋根の上や駐車場
B) 塩分を含む,あるいは汚染された土地
C) 農業に適していない土地
D) 池や海の上



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答え A) ~ D)のすべて.

A) 屋根の上や駐車場(rooftops or parking lots)
B) 塩分を含む,あるいは汚染された土地( salty or contaminated land)
C) 農業に適していない土地(unsuitable for farming)
D) 池や海の上(floatovoltaics? "A floatovoltaic is a photovoltaic installation that is placed on pontoons that float on the water.)

D)では,池や海にポンツーンと呼ばれる箱型の浮きを設置し,その上に太陽発電パネルを置く「floatovoltaic」が利用されます.









2017年12月28日木曜日

最新の研究によれば,社会階級が低いほど,人は「賢い」!

今日ご紹介するのはNew from Science 2017年12月20日の記事

「The lower your social class, the "wiser" you are, suggests new study」(=新しい研究によれば「社会階級が低いほど,人の賢さは増す」)

社会全体の知識や技術はどんどん進んでいる一方で,私たち自身は依然としてうまくやっていく方法がわからずにいる.紛争の数は一向に減る様子がない...

カナダのウォータールー大学の社会心理学者らが出した結論は
「知能だけでは衝突(confluct)は減らない.減らすのは知恵.」

他人の視点を考慮し,歩み寄りを目指すことのできる知恵は,貧しい家庭で育った労働者階級の人々がより自然に身につけている,とのこと.

「知能指数」と社会的ステイタスとの間には相関は見られなかったものの,「知恵」のレベルは社会的ステイタスが下の人々の方が上であった.

この研究には,合衆国全土にわたる2145名の人々(オンライン調査)とミシガン州アナーバーの200名(リクルートされた被験者)が参加しました.

現時点では十分なデータがないのでなんとも言えないそうですが,もしこの研究を社会階級がトップの人々を対象に行ってみると,この傾向はさらにはっきりとするかもしれません.

研究者はドナルド・トランプ氏にインタビューをしてみたいそうです.

SCIENCE の記事を読む


2017年12月27日水曜日

地球ってすごい!2017年科学が証明した10の出来事より


2017年12月27日に配信されたLIVESCIENCEのニュースから
今年初めにカナダで観測されたクリスタル・フォグ(crystal fog)別名  光柱(light pillar)
Photo Credit: Darlene Tanner/ ZUMA

光柱とは,上空の大気中の水蒸気が凍って地上に降り注いできたものに,信号機や街路灯など地上の光が反射してできたもの.

そういえば,2016年11月にも日本の北海道の海で観測された同様の現象が「漁火光柱」として話題になりましたね.

LIVESCIENCEの10の画像を見る

2017年12月26日火曜日

コビトマングース(続き)ポッドキャストバージョン

2017年12月12日の本ブログでご紹介したコビトマングース(ビデオ)がさらに詳しくポッドキャストになりました.

群れの一部は見張り役.見張り役が警告を発してくれるおかげで,残りのメンバーは安心して餌をあさることができます.

ところで,彼らは協同繁殖(cooperative breeding)を行う動物なので,グループの中で子を産むことができるのは繁殖ペア(breeding pair)に限られています.

例えば,その群れの中でなかなか繁殖ペアの位置にまで登ることができない序列が低いオス(メス)のマングースは,群れを出て,若いオス(メス)が少ない別のグループに参加することで,繁殖ペアになれる確率が高まります.

新しく群れに加わったマングースは平均で5か月が過ぎる頃,群れのメンバーと同様に見張りとして働き始めます.

そして最初のうちは無視されることが多かった彼らの発する警告も,次第に信頼されるようになり,新参者たちは完全に群れに溶け込むのです.


60-Second Scienceを聞く(マングースたちの警告音声つき)

2017年12月25日月曜日

マリファナ入りの食品はクローン病患者に良い影響を与えるのか?

カプサイシンというのは唐辛子を辛くしている成分ですが,腸内でこれが作用すると,化学反応が次々に生じ(chemical cascade)免疫系の沈静化や炎症の減少が起こることがマウスで観察されました.

腸内で何が起こるか....

まずカプサイシン分子がある特定のレセプタにはまり込むとアナンドアミド(anandamide)が放出されます.

このアナンドアミドは内在性カンナビノイド(endocannabinoid)(マリファナの活性成分に似た物質)で,これが腸内のカンナビノイドレセプターに結合すると,炎症を鎮める細胞がどんどん産生されるのです.
(さらにマウスでは自己免疫疾患である1型糖尿病も治癒したのでした.)

ところで,ここで研究者らは気がつきます.
カプサイシン分子によってアナンドアミドを放出させるという手間を省き,アナンドアミドを直接摂取したら?

例えばマリファナ入りのブラウニーを食べるとか?
大腸炎(colitis)やクローン病(Crohn's disease)の患者がマリファナ入りの食品を食べていたら,その結果良い影響があるのでしょうか?

マリファナ入りの食品がかなり広まっている現在,この結論が出るまでにそう時間はかからないかもしれませんね.


60-Second Scienceを聞く