普通の物質は熱を加えると膨張し体積が増えますが,反対に熱すると体積が減る(負の熱膨張率を持つ)物質もあります.例えば氷.氷が溶けて水になると,その体積が減るのは誰でもご存知の通り.
負の熱膨張(negative thermal expansion)を持つ物質があれば,それを使って様々な物質の熱膨張をコントロールすることができるので,最近この物質に関する研究が盛んに行われています.
温めると縮む"負の熱膨張材料”をつくる
Science (AAAS)の今週のNewsで紹介されているのは,ミリメートルオーダーの微小構造.
外側を銅を含有する硬い物質で組み上げ,内側をポリマーを含有する伸縮性のある物質で組み上げたこの構造物は熱を加えると内側に潰れます.そして銅の含有量を変えることで,縮む度合いもコントロール可能だとのこと.
熱膨張性の物質と組み合わせることで,温度により体積が変化しないものを作ることができるので,今後は人工衛星に搭載するカメラの寿命や歯の白い充填材の持ちも良くなることが期待できるだろうと,記事は締めくくっています.
3Dプリンターで作り出した構造
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