最初にキーノート講演として,1987年のノーベル化学賞受賞者でストラスブール大学教授ジャン・マリー・レーン教授が「Adaptive chemistry」について講演.
ネットワークとは,一つに何かを与えると,別のものがそれを知ること.
Information processing in a 3D adaptive network
空の上で何かが起こると,その結果が地上に現れる...
などなど,初めて知ることばかりのとても刺激的な1時間でした.(言葉足らずで私の受けた感動をきちんとお伝えできず,恐縮です)
教授は Evolution of Chemistryを molecular → supramolecular → organized → dynamic → adaptive(現在)とし,今後は complex matter へと向かうと締めくくりました.
また,JACS編集長のペーター・スタング博士からは論文作成のコツに関するレクチャー ”Top Ten Tips for Preparing a Successful Manuscript"がありました.
一言で言えば,投稿する前に見直し,見直し,(最低10回はリライトし),見直す.
それに尽きるようです.
実際,JACSのエディター7名の方が受け取る論文数は3万本.
そのうちの90%にはエラーがあるそうです.
そのほかにも,
仲間内の仕事だけをリファレンスに入れてはいけない,
研究結果だけを書くのではなく,重要なのは「考察」,
たとえ自分の論文からであっても,コピペはいけない.
(例えば実験項などを丸々コピペする人がけっこういるとのことで,Self-Plagiarism(自己盗用)は今大変な問題になっているそうです)
などなど.
言われてみれば本当にその通りのことばかり.
最後に会場から「英語はどの程度重要か?」という質問が出ました.
それに対する回答は,
「英語は極めて重要.英語が母国語ではない人には同情するが,例えば,Nativeに原稿を読んでもらう,Nativeが周りにいなければ,有料のサービス(翻訳やチェック)を利用するなどして英語の質を高めて欲しい.」でした.
ところで,無料でダウンロードできる ACS Style Guide というのがあるそうです.私も今まで利用したことがなかったので,今度見てみようと思います.
それにしてもアメリカ化学会の会員は現在15万7千人だそうです!巨大組織ですね.
会場には学生がいっぱい! |
学食のランチ |
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