2017年10月7日土曜日

アフリカの野生犬はくしゃみで投票する:ビデオ

今日はScientific Americanが発表したビデオ「Wild Dogs Sneeze to Vote」のご紹介です.

ビデオを見る

野生犬はくしゃみで群れの決定に一票を投じる
狩りの後,群れはのんびり数時間を過ごす
やがて犬たちは再び狩りをするために,突然小走りで出て行くのだ
科学者たちは群れがどのようにして さあ目覚めの時だ,また出発しよう
というコンセンサスに達しているのかを不思議に思っていた
くしゃみは出かける準備ができたことを意味する
くしゃみが定足数に達すると,群れ全体が移動する
有力な犬が投票すると,可決する可能性は高い
しかし群れはリーダーの犬を投票で否決することもできるのだ
つまり,野生犬の群れではくしゃみ民主主義が行なわれている

2017年10月6日金曜日

デンキウナギは空中にジャンプして攻撃する,というお話し

1800年代に,当時著名な探検家で博物学者であったアレクサンダー・フォン・フンボルトはアマゾンでデンキウナギが空中に飛び上がり,2頭の馬を感電させるという奇妙な事実を目撃し,それを記録に残したが,人々は必ずしもそれを信じてはいなかった.

しかしフンボルトが正しかったことは昨年裏付けられた.ヴァンダービルト大学生物学者のケネス・カタニア教授がデンキウナギは捕食者に電気攻撃をするために空中に飛び上がるという研究を発表したのである.

水中ではウナギの電気は水に失われてしまう.空中に飛び出すことで,ターゲットにより多くの電流を向けることができる.ウナギは物理学の原理を利用しているのだ.

さて,カタニア教授は自らが実験台となり,10回も感電しながらデンキウナギのショックがどの程度なのかを調べた.

その結果わかったのは,小型のウナギでも40〜50ミリアンペアの電流を流すことができるということだった.馬,犬,そして人間に痛みを感じさせ,反射的に手足を引っ込めさせるには十分な強さである.

この研究は「Current Biology誌」に発表された.

60-Second Scienceを聞く

さてここで質問です.

Annie Sneedさんは「Current Biology誌」と言った後で,ダジャレではありません.と断っていましたが,それはなぜ?














答え: 「Current Biology」は「現代生物学」という意味の雑誌なのですが,currentには「現在(最新)の」という意味のほかに「電流」という意味があるので,デンキウナギの「電流」に引っ掛けているようにも受け取れるから.





2017年10月5日木曜日

2017年ノーベル化学賞の発表

日本時間の2017年10月4日19時53分,ストックホルムのスエーデン王立科学アカデミーは今年度のノーベル化学賞の受賞者を発表しました.

ジャック・デュボシェ(スイス),ヨアヒム・フランク(米),リチャード・ヘンダーソン(英)の3氏が溶液中の生体分子の構造を高解像度で決定できるクリオ電子顕微鏡の開発により受賞したのでした.

ノーベル委員会の委員を務めるピーター・ブルゼジンスキ(ストックホルム大学生化学教授)は「この技法は電子顕微鏡を分子の形,外形,だけを見るものから,その分子の中の原子などの詳細を見ることのできるものへと変えたのです」と語りました.

この技法が開発されたのは極めて最近のこと.
構造を決定するまでに必要な時間が比較的短いことも特長です.

昨年,この技法により,ジカ熱のウィルスの構造がほんの数ヶ月で決定されたことはその良い例です.表面構造の詳細(原子の様子)は,ウィルスに対する薬を開発する上で重要なのです.

60-Second Scienceを聞く






2017年10月4日水曜日

今年度のノーベル生理医学賞受賞研究「体内時計」が一目でわかるイラスト

昨日発表されたノーベル生理医学賞を受賞した研究は「体内時計」に関するものでした.
今日も引き続きこの話題をお届けします.

シンシア・ターナーさんが書いた「ハエの生物時計における1日」 というこのイラストでは

夜明け:ハエが光に当たると2つのタンパク質(ピリオドとタイムレス)からなる分子複合体(molecular complex)が脳内の細胞の中で分解を始める.

Per gene ピリオド遺伝子   PER protein ピリオドタンパク質
Tim gene タイムレス遺伝子      TIM protein  タイムレスタンパク質

昼:この頃には全てのピリオド,タイムレスタンパク質は崩壊しており,サイクル,クロックという2つのタンパク質が合わさって複合体を形成し,ピリオド遺伝子とタイムレス遺伝子に結合しこれらの遺伝子のスイッチを入れる.活性化した遺伝子が作り出すメッセンジャーRNAは細胞質(cytoplasm)の中へ入る.

細胞質の中に入ったperメッセンジャーRNAとtimeメッセンジャーRNAはリボソームとドッキングし,リボソームはメッセンジャーRNAの情報を翻訳してアミノ酸を作り出す.アミノ酸がつながった鎖は次第に折れ曲って,ピリオドタンパク質やタイムレスタンパク質となる.これらは互いに結合し,日暮れ時には新しい複合体が生まれる.

夜:新しく生まれたピリオドとタイムレスタンパク質の複合体は核の中に入り,サイクルとクロックの活動をブロックし,これらの産生は基本的にストップする.翌日日が昇るとピリオドとタイムレスからなる分子複合体の分解が再び開始する.

イラストを見る

2017年10月3日火曜日

ノーベル生理・医学賞が発表になりました

今日ご紹介するのはLIVESCIENCEの記事.

体内時計の作用に関する重要な発見を行った3人の科学者が今年のノーベル生理・医学賞を受賞した.賞金の9百万スウェーデンクローナ(1億2400万円)はメイン大学のジェフリー・ホール,ブランダイス大学のマイケル・ロズバッシュ,ロックフェラー大学のマイケル・ヤングに贈られる.

夜勤や飛行機でタイムゾーンをまたがるフライトを経験した人なら,地球とシンクロしない眠りが人を混乱させることを知っているだろう.ホール,ロズバッシュ,ヤングの3人は夜は眠りにつき,昼は目覚めている私たちをコントロールしている重要な生物学的メカニズムを発見したのだ.

1980年代,これら3人の科学者はミバエ(fruit fly)の体内時計(biological clock)=概日リズム(circadian rhythm)をコントロールする「ピリオド遺伝子(period gene)」 を単離した....

続きを英文で読む
ジェフリー・ホール米ブランダイス大名誉教授(72)とマイケル・ロスバシュ同大教授(73)、マイケル・ヤング米ロックフェラー大教授(68)
賞金900万スウェーデンクローナ(約1億2400万円)

2017年10月2日月曜日

二つの顔を持つネコの誕生

中国の重慶で2つの顔を持つ猫が生まれたとのニュースが世界を駆け巡りました.
それぞれの口からニャーニャーと泣いているビデオもアップされていたようです(現在は視聴不可).

二つの顔を持つ古代ローマの神ヤヌスにちなんでヤヌスキャットとあだ名がついたこの子猫は,残念ながら生後2日でなくなりました.

顔面重複奇形(diprosopus)と呼ばれるこの現象は以前にも報告されており,今までで一番長生きをした猫はFrank and Louieと名付けられ、当初数週間しか生きられないだろうとの予測を見事に裏切り,15年という長生きをして,ギネスブックに認定されました.

YoutubeでFrank and Louieの映像を見る

二つの顔を持つネコの誕生については今週のLIVESCIENCEに詳しい記事が掲載されています.

LIVESCIENCEの記事を読む

2017年10月1日日曜日

カササギフエガラスが教育している現場を捉えた?

地球上の鳥の種類は何千種類にも登りますが,その中で食べる前に食物を洗うような行動をする鳥は,わずか25種類しか知られていませんでした.

このたび,初めてカササギフエガラス(Australian Magpie)が同じような行動をすることが報告されました.


Source: Barbara Hardy Centre http://www.unisa.edu.au/barbarahardy/ Photographer: John Hodgson

鳥がこのような行動をとる理由ははっきりとはわかっていません.水につけると食べやすくなるからかも知れないし,あるいは餌についている苦い成分を洗い落としているのかもしれません.


ケンブリッジ大学の動物学者たちはある日カササギフエガラスの成鳥の前にキリギリス(katydid)を落としてみました.

この虫は鳥に食べられないように羽の下から苦味物質を分泌したり,苦い味のする液体を口から吐き出したりするので,鳥にとっては美味しくない餌だと言えます.

するとカササギフエガラスはキリギリスを小川の中にポトリと落とし,拾って地面の上に置きました.しばらくするとカササギフエガラスの若鳥がやってきて,キリギリスを水につける動作を繰り返した後,パクリとそれを食べました.

ケンブリッジの研究者たちは,カササギフエガラスが社会的学習を行っているところを目撃したのではないかと考えています.この虫に関して言えば,食べ物を洗うという行為は理にかなっています.

ちょうど良い時と場所にいた幸運.研究者らはこの観察をこのほど論文として投稿しましたが,それは,他の研究者が引き続きこのことを研究してくれると良いな,という期待と,今の時代多くの人がi-Phoneやカメラを持っているので,このような面白い現場に出くわしたら是非その様子を写真などで公開,シェアしてほしいという願いも込めてのことです.


さて,ここで質問です.ケンブジッリ大学の女性科学者の名前は?

1.Drinkwater
2.Birdeater
3.Sweetie


















答え:1. 彼女の名前は Eleanor Drinkwater