Credit : Rob Felt, Georgia Tech |
このほどサイエンス誌に発表された研究によれば,答えは「ノー」です.
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上の写真はこの研究のために美しく彩色されたヒアリ(アカヒアリ:fire ant)です.
彼らは地面に巣穴(トンネル)を掘るのですが,トンネルは細く,2匹がかろうじてすれちがえるほどの幅しかありません.
ヒアリを一匹づつ区別できるようにその体の一部に色を塗り,彼らが細いトンネルを掘るようすを詳しく調べると,仕事の70%を全体の30%のアリが行っていて,残りのアリたちは遊んでいることがわかりました.
全体の1/4のアリはトンネルに一度も入ることすらなく,残りはトンネルに入っても土を掘り出したりせずにそのまま出てきてしまうのです.
さらに「働き蟻」を5匹つまみ出してしまうと,なんとびっくり,これまで「遊び蟻」だったアリがすぐに彼らの代わりに働き始めたのです.
どうやら生まれつき「遊び蟻」と「働き蟻」という区別があるのではなく,トンネルを掘る作業がスムーズに運ぶように,労働を分担している,というのが真相のようです.
なぜなら,たくさんのアリが一度に狭いトンネルに入り込めば,トンネルが溢れ,彼らはにっちもさっちもいかなくなってしまうでしょう.
さらに,アリの巣穴堀りをコンピュータでシュミレートしてみると,最も効果的な穴掘をした画面の上のアリたちは,生きたアリたちと同様の行動を見せたのでした.
この研究は今後災害時に活躍するロボット(瓦礫の中から生き残りの人々を探す)や体内で診断や投薬などの働きをするナノロボットなど,複数のロボットが協力して働かなくてはならない場面に役立つことでしょう.
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