2019年1月16日水曜日

光るマウスを作る?いえいえ真面目な遺伝子治療のお話.

今日ご紹介する60-second scienceは現在研究されている新しい遺伝子治療法についてなのですが,Christopher Intagliataさんの前振りがすごくオシャレ!

曰く,

私たちのゲノムは図書館(で借り出した本)のようなもの.
遺伝子はタンパク質を作るトリセツ.
本当の図書館と違うのは,私たちの本(ゲノム)を返却し,別のを借りることができないこと.

ところが,遺伝子治療により,この本をいわば改定することが,つまり新しいタンパク質を作り出すことが,できるようになった.

現在マウスを用いた試験が行われていますが,ホタルの発光酵素ルシフェラーゼを作る情報を載せたmRNAを使ったところ,このmRNAを吸い込んだマウスの肺が光りだした(ルシフェラーゼが作り出された)のでした.

もちろんこの実験の目的は,光るマウスを作ることではなく,cystic fibrosis(嚢胞性線維症)の患者(遺伝子変異により肺に粘り気の強い液(痰)がたまる病気)のための治療法として役立てることなのです.すでに臨床試験が始まっています.

さて,今回のポッドキャスト,最後の言葉あそびはお分かりになりましたか?
(解答はこの下に)

60-Second Scienceを聞く


















解答:Intagliataさんはポッドキャストを「inhalation genetic therapy could be an inspiration.」(吸入遺伝子治療は素晴らしい思いつきと言えるだろう)という表現で締めくくっていましたが,このinspirationには「素晴らしい思いつき」という意味のほかに「吸気」という意味があるのですね.




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