2019年3月30日土曜日

ブルース・リーも真っ青?砂漠に生息する忍者ネズミ

カンガルーネズミ対ガラガラヘビの対決.

砂漠で夜な夜な繰り広げられる死闘.軍配はどちらに?

LIVESCIENCEが提供するビデオの映像はとても衝撃的.

カンガルーネズミの素早さ,ジャンプする高さ,おまけに空中で方向を変えることまでできるなんて....

えぐい映像はないので,安心してご覧になれます.

さて,最後に登場する,イラストの忍者ネズミのセリフ,お分かりになりましたか?

ビデオを見る




















最後にカッコよくポーズを決めた忍者ネズミは「Bring it on ! Bruce Lee!」と言っていました.「かかってこい!ブルース・リー!」という感じでしょうか?でも,今ブルース・リーを知っている人はどれだけいるのだろうか?この記事を書いた人は私の年代?とちょっと思ったことでした.

2019年3月23日土曜日

糖鎖研究から見えてきた,素晴らしい癌の治療法

ガン細胞を直接標的にするのではなく,患者自身の免疫細胞にアプローチすることでガンを治療する革命的な方法に対し,2018年のノーベル医学生理学賞が与えられました.

T細胞には過剰反応を防ぐためのブレーキタンパクが存在しますが,ガン細胞はこれを悪用して免疫から逃れようとするのです.免疫チェックポイント阻害剤はこのブレーキを解除し,T細胞を目覚めさせるものですが,これが効かないガンも存在します.

そこで現在,糖(糖鎖)をターゲットとする新しいタイプのチェックポイント阻害剤の研究が進んでいます.

糖鎖とは細胞の表面を覆っている糖の鎖のことです.

例えば,腫瘍の表面を覆っているシアル酸という糖鎖にSiglecsというタンパク質が結合すると,免疫細胞は眠ってしまいます.Siglecsは分子ブレーキとして働いているのです.
 例えて言えば,ガン細胞は糖鎖に身を隠している「羊の皮を被った狼」です.

そこで,ガン細胞表面の糖鎖からシアル酸を取り除けば,悪者の化けの皮が剥がれ,免疫細胞に悪者(ガン細胞)の正体が見えるようになる,というわけです.

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2019年3月21日木曜日

油の多い食餌は腸内細菌に悪影響を及ぼすという研究

脂っこい食事を摂りすぎると,お腹のバクテリアにも悪影響がおよぶかもしれない,というお話です.(2019年2月20日LIVESCIENCEからのトピック)

このほど中国で行われた研究では,200名を超える若く健康な成人の被験者に,油の少ない食事,適度に含む食事,油の多い食事を6か月食べてもらった結果,油の多い食事を6か月続けたグループは腸内細菌の量やそれらの細菌が作り出す化合物の量に「好ましくない変化」が生じたことがわかりました.長期的には二型糖尿病のような代謝性疾患にかかるリスクの増加につながるそうです.

腸内細菌と脂肪との関係については,これまでの研究から肥満にはある種の腸内細菌の欠乏が関与しているということがわかっていました.今回の研究では1日の摂取カロリーのうち20%を油脂から66%を炭水化物から取る(低脂ダイエット),30%を油脂から56%を炭水化物から取る(中脂ダイエット),40%を油脂から46%を炭水化物から取る(高脂ダイエット)を200名の若者に6か月続けてもらいました.

カロリー総量やタンパク質,食物繊維などの量は同じにし,実験の初めと終わりには被験者の血液と便を採取して調べました.

その結果, 低脂ダイエットの人々では6か月後にいわゆる善玉バクテリアが増えたのに対し高脂ダイエットの人々では善玉バクテリアの量はスタート時よりも減少していました.これらの善玉バクテリアが作り出す酪酸(一種の脂肪酸)は抗炎症性をもち,腸の細胞のエネルギー源となっているのです.

また,実験を続けるにしたがって,高脂ダイエットの人々では二型糖尿病に関係のあるバクテリアの量や体内の炎症を刺激すると考えられている長鎖脂肪酸の量が増えたのです.

この研究は,若い,健康な中国人を対象に行なわれたもので,すべての人に対して同様の結果が得られるかどうかはわかりませんが,最近若者の食事が西洋化しつつある(脂の量が増えている)日本の私たちにとってもこの研究結果は見逃せませんね.

さらに詳しくは,LIVESCIENCEの記事をご覧ください.

LIVESCIENCEの記事(英文)を読む

それにしても,ちょっと同情したのは,6か月油の多い食事をとらされた健康な男女の皆さん.早くヘルシーな食生活に戻ってくださいね!

2019年3月19日火曜日

日本化学会第99春季年会に参加しました

ここ数年,学会には参加していなかったので,久しぶりの年会はいろいろと楽しいことがありました.

まず感じたのは研究の流れはどんどん変わる,ということ.数年前にはなかったテーマがいろいろと並び,世の中は進んでいるのだ,と実感.

今は研究活動をしていない私ですが,たまには,熱い研究発表の場に身を置くのもとても刺激を受けていいものですね.(少し勉強して時代に追いつこう,という気持ちになりました.)

開催場所は神戸の甲南大学でした.初めて出かけたのですが,設備が最新で,とても綺麗なキャンパスでした.

中でも生協食堂は圧巻.500円でとても充実したメニューが並び,レシートにはその食事に含まれる栄養素やカロリーまで記載されていました.

以前,フランスのストラスブール大学の学食のメニューに感動したことがありましたが,こちらのメニューも全く引けを取りません.

ご参考までに私の食べたトンカツおろしセットの写真をアップします.
本当に美味しかった!(^ ^)


さて,こちらのキャンパスには他にも軽食を取れる場所がいくつかあるのですが,生協の建物の4FにはTSUTAYA BOOKSTOREがあり,美味しいコーヒーを飲みながら本を読んだりもできるのです.

早速出かけてみると,化学会開催を記念して「化学書フェア」が開かれていました.

そして,私の本を発見!


化学英語を勉強したい方,ぜひ手にとって見てください.

1月からすっかりご無沙汰していましたが,久しぶりのブログはまずは学会の感想から.