今日お伝えする8月11日付SmartNewsの記事は冒頭の1行が洒落ています。
Scientists may have found a crappy solution to winding back the clock.
科学者たちは時間を巻き戻すくそみたいな方法を見つけたのかもしれない。
くそみたいな、というのは下品に聞こえますが、英語では日常的に使われているそうで、何よりこの記事の主題はまさに「糞」。
若いネズミの糞(腸内細菌)を年取ったネズミの腸内に移植(つまり糞便移植)したところ、年と共に衰えてきた認知力が回復、つまり脳が若返ったという実験結果がこのほどNature Aging誌に報告されたのです。
腸内細菌は消化のみならず免疫システムにおいても重要な役割を果たしていることはすでに知られていましたが、老化との関係についてはあまり明らかになっていませんでした。
研究チームは若いマウスの便をスラリーにし、老齢マウスに週に2回栄養管を通じて与えたところ、8週間後には老齢マウスの腸内には若いマウスと同様にEnterococcus(腸球菌)が増え始めたのでした。
脳内のhippocampus(海馬)と呼ばれる、学習や記憶を司る部分にもまた物理的、化学的変化が現れ、若がえってきたのです。
ところで糞便移植は人間でも行われていますが、それはirritable bowel syndrome(過敏性腸症候群)の治療などに限られており、今回の研究結果が即若返りの方法として人体に応用されるかと言うと、すぐには期待できそうもありません。
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