2018年5月10日木曜日

トマトには嗅覚があるのか?

植物には動物に食べられないための様々な防御方法が備わっています.

例えば以前このブログに登場したトマトはイモムシに共食いを誘発させる物質を分泌する,というすごい技を持っていました.

今日のお話の主人公もやはりトマトです.

ある研究者がカタツムリの粘液(カタツムリが通った跡が銀色に光っている,あれです)を地面に垂らしたところ,近くに生えていたトマトはそれに気がついたようで,草食動物を遠ざける作用を持つ,リポキシゲナーゼと呼ばれる酵素をたくさん作り出したのです.

実際にカタツムリに食べられたトマトは1本もなかったのに...です.
カタツムリがやってくるぞ,と思わせただけで,彼らのカタツムリ防御機能が発動したのでした.

さらに,この防御作用はカタツムリだけではなく,空腹のイモムシにも有効でした.カタツムリの粘液を感知し,リポキシゲナーゼを全開したトマトの葉にイモムシたちは見向きもしなかったのです.

さて,そこで大きな疑問が生まれました.トマトは触れてもいないカタツムリの粘液をどうやって感知したのでしょうか?

カタツムリの粘液に含まれて居る化学物質をそれに触れずに感知する方法,といえばまず考えられるのは臭いですが,トマトには嗅覚があるのでしょうか?

60-Second Scienceを聞く

0 件のコメント:

コメントを投稿