2017年7月27日木曜日

バクテリアは抗生物質が生まれる前からそれに耐性を持っていた!

MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)についてはご存知の方も多いことでしょう.

健康な人には何でもない菌ですが,免疫力が衰えた人には肺炎,敗血症を引き起こし,さらには死をもたらすこともある,代表的な院内感染の原因菌です.

ところで,この菌が「メシチリン耐性」を得たのは,メシチリンが広く使用されるようになったから,とこれまでは考えられていたのですが,それが覆される研究が発表されました.

何と,MRSAはメシチリンが世に出る前から存在していたというのです.

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スコットランド,セント・アンドルーズ大学の分子微生物学者,マシュー・ホールデンらは冷凍保存された1960年代〜80年代のMRSA菌株のゲノムを分析し,この結果を得ました.

ゲノムを分析し,その進化の歴史を辿るこの手法を彼らは「ゲノム考古学(genomic archaeology)」と呼んでいます.

抗生物質と耐性菌との戦いは,ここに来て新たな局面を迎えたのかもしれません.

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