2017年7月31日月曜日

鳥肌が立つ音楽と涙が溢れる音楽を科学する

「Two types of peak emotional responses to music: The psychophysiology of chills and tears」と題する論文が発表されています.(Nature Human Behaviour)

音楽を聴いて感動するときの反応,鳥肌が立つ(ゾクゾクする思い)と涙が溢れる(胸がいっぱいになる),について精神生理学的に考察したもの.

両方に共通するのは,快感を覚えることと呼吸が深くなる事.

異なるのは,鳥肌がその音楽から喜びを感じるときも,悲しみを感じるときも生じるのに対して, 涙は悲しみを感じる音楽だけから生じること.

鳥肌が立つときは,皮膚電位と主観的覚醒が増加し,涙が溢れるときは,心拍数は増大するが,呼吸数が減少する.

涙を流させる音楽には,悲しみから生まれる快感を与えつつ,心を落ち着かせる効果がある...

コンサートで,深く感動し思わず涙が流れる時,心臓はドキドキしているのに,呼吸は深く落ち着いて,心が洗われる気持ちになることがよくあります.

そしてなぜか普段はすっかり忘れている,昔の出来事が急に思い出の中に蘇ってくる...

音楽には本当に不思議な力がありますね.

Nature Human Behaviourの要約(日本語/英語)はこちらから
 
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