オオカバマダラ(Monarch butterfly)の幼虫はトウワタ(milkweed)を食べて育ちます.毒を持つトウワタを食べその毒を体内に溜め込むことで,幼虫は,鳥などに捕食されにくくなるのです.
ところで,合衆国原産のトウワタの他に,熱帯原産のトウワタも存在し,現在合衆国の南部ではこれらが多く見られます.ところが,この熱帯原産のトウワタは気温が上がるにつれ,より多くの毒を生産するため,オオカバマダラの幼虫もその毒にやられてしまうのです.
研究者らは熱帯原産のトウワタと合衆国原産のトウワタの二つを使い,オオカバマダラの幼虫を育て,現在の気温とより高い気温(2080年に合衆国南部で予測される気温)による効果を調べました.
その結果わかったのは 合衆国原産のトウワタなら,オオカバマダラは現在の気温でも,より高い気温でもちゃんと育ちますが,熱帯原産のトウワタだと,気温が高くなると4/5が毒のために死んでしまうということでした.
熱帯産のトウワタの方が綺麗なため好まれているのかもしれませんが,ここはひとつオオカバマダラのためにアメリカ原産のトウワタに植え替えることも考えるべきかもしれません.
まだ間に合いますから.
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