ネアンデルタール人の顔つきの特徴は眉が濃く,鼻が大きく,上顎が前に突き出ていることです.その理由として,氷河期の寒い空気に耐えるため,咀嚼力を強化するため,など様々な仮説が立てられていました.
このほどコンピュータシュミレーションにより,なぜ顔の中央が突き出るような進化が起こったのか,その利点は何なのかが明らかになりました.
ネアンデルタール人,さらに初期のホモ・ハイデルベルゲンシス,そして時代が下った新しい人類の頭蓋のモデルを使い,硬いものを噛んだ時の負荷にどう反応するかデジタルな衝突試験を行ったところ,前に突き出ているネアンデルタール人の顎は特に咀嚼に有利には働いていませんでした.
次に鼻腔の中を通り抜ける空気について調べたところ.面白いことがわかりました.
ネアンデルタール人の構造はホモ・ハイデルベルゲンシスよりも冷たい空気を温め,湿り気を与える上で有利に働いていたのです.
ところで,ネアンデルタール人の鼻が最も優れているのは,大量の空気を吸って肺に取り入れ,吐き出すことができる能力でした.
一日中マストドンを追いかける生活をしていた彼らにとっては大きな強み!となったわけですね.
60-Second Scienceを聞く
0 件のコメント:
コメントを投稿