そこでドクターたちはバクテリオファージと呼ばれるウィルスに目をつけました.近くの湖から採取されたこのウィルスはどうやら患者から細菌を根絶したようです.
今回のケースは,抗生物質に耐性のある感染にバクテリオファージによる治療が有効である初期の証拠となりました.
この患者は2012年に大動脈の手術をした後,体内に埋め込んだプラスチック製のグラフトが緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に感染してしまったのでした.緑膿菌は私たちの身の回りのどこにでも存在しますが,しばしば院内感染の原因になっています.
さてこの患者を救ったバクテリオファージ(OMKO1)は,ニューヘイブンから64kmほど離れた海岸ぞいのダッジ池(Dodge Pond)から採取されたものでした.実験室のペトリ皿の中で,OMKO1は緑膿菌の表面のタンパク質に結合し,緑膿菌を殺すことがわかりました.緑膿菌はこのタンパク質で抗生物質を弾きだすため,抗生物質が作用しなかったのです.
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