ところが,この色が同時に保護色としても働いている,という驚くべき報告が...
ブリストル大学の研究者らは,シナバー蛾の芋虫の派手な縞模様が,距離によって警戒色として働いたり,あるいは保護色として働くことを突き止めたのです.
シナバー蛾の芋虫が食べるヤコブボロギク(ragwort)にはアルカロイドがたくさん含まれているため,鳥にとっては美味しくありません.
そこで,一度まずいことを学んだ鳥は,次からはこの派手な模様の芋虫を食べなくなるというのが警戒色の働きです.
さて,ここからが面白いのですが,研究者らは,ブリストル郊外の緑地にいた芋虫たちの写真を撮り,ビジュアル・モデリング・プログラムを使ってこの芋虫たちが近くにいる場合と遠くにいる場合について,鳥の目にはどう見えるか?を調べたのです.
その結果,近くで見るとき,芋虫の派手な縞模様は背景のヤコブボロギクから浮きあがり目立つのですが,離れてしまうと,同じ縞模様が背景に溶け込んでしまい,芋虫を見分けるのは難しいことがわかったのです.
黒とオレンジの縞模様が近くでは警戒色として働き,遠くでは保護色になっている,というのは興味深いですね!
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