2018年3月12日月曜日

唾液中のタンパク質が私たちの体内で悪玉大腸菌の感染を防ぐというお話.

1日に1〜2リットルも作り出される私たちの唾液は,消化作用を持ち,嚥下を助けるだけでなく,口腔中の細菌感染を防ぐなど,様々な働きをしています.

このほど唾液に含まれるタンパク質(ヒスタチン-5)が腸内でさらに私たちの健康に役立つ仕事をしていることが報告されました.

実験によれば,ヒスタチン-5の存在下で,病原性大腸菌(旅行者下痢症を引き起こす細菌)が腸内の細胞に結合する数が減ったのです.結合できなければ,感染が起こらず,病気にもなりません.ちなみに,このタンパク質は化学的に合成でき,粉末として保存も可能です.将来赤痢の予防剤などとして,ドラッグストアに並ぶ日が来るかもしれません.


単語集
dysentery      赤痢
traveler's diarrhea  旅行者下痢症
pathogenic E.coli  病原性大腸菌
histatin-5     ヒスタチン-5

さて,ここで質問です.
大腸菌が腸内の細胞に結合する様を,ポッドキャストでは何に例えていますか?

1)大腸菌を海賊船に,腸内の細胞をに,結合を入港することに例えている.
2)大腸菌をに,腸内の細胞を鍵穴に,結合を鍵が鍵穴にはまることに例えている.


60-Second Scienceを聞く














解答)正解は1).ここでは,大腸菌を海賊船に,腸内の細胞をに,結合を入港することに例えています.そしてヒスタチン-5は海賊船がロープ(大腸菌の持つ繊毛)を使って係留(細胞に結合)しようとするのを防ぐ役割を果たしているのでした.



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