今日はLIVESCIENCEからのトピックをご紹介します.
卵白と人の涙にはともに「発電ができる」という共通点があるのです.
それは,これら二つのタンパク質が共に含有しているある酵素の働きのおかげです.
リゾチームというこの酵素は卵白、人間の涙、唾液などに含まれる酵素で、細菌の細胞膜を分解する働きがあります.
またリゾチームは結晶すると圧電性(piezoelectricity)を示し,機械的エネルギーを電気的エネルギーに変換することができます.
圧電性という言葉は聞きなれないかもしれませんが, 例えば携帯電話に使われている水晶振動子も深海で使われるソーナー(音波探知機)も圧電材料です.
リゾチームの圧電性を研究するために,科学者たちはこの酵素を結晶化してフィルム上に塗布し,このフィルムに力を加えて発生する電力を記録しました.
その結果リゾチームからはクォーツ(水晶)と同等の電力が発生することがわかったのでした.
また,生物学的材料であるリゾチームには医学的な用途が期待できます.リゾチームには毒性がないので,医療移植片に対し,電気活性を持つ抗菌性の被覆をすることも可能です.
今後リゾチームは人体に用いられる生物医学装置のための電源や,体内に薬を放出するための電源,あるいはその制御に用いることができるようになるかもしれません.
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