鱗翅目(lepidopteran)(蝶や蛾の仲間)の間でどのように病気が伝染していくかを調べていた研究者はイモムシの間にcannibalism(共食い)が行われているのを発見しました.
共食いには3つのメリットがあります.
その1)自分の体と同じ成分でできている同胞は栄養たっぷりの便利な食べものである.
その2)今後の人生における競争相手(食べ物を奪い合うライバル) が減る
その3)そもそも同じ土地に住んでいるから(同胞は)見つけやすい.
ところで病気のイモムシを食べたイモムシは病気になって死んでしまいます.
問)では,共食いは本当にイモムシにとって,プラスなのか?
答え)個々のレベル(病気のイモムシを食べたイモムシ)ではマイナス.でも,全体にとってはプラス(その集団から病気が排除されるから).
共食いと伝染病についての論文を読む
ところで,ここにトマトが登場すると,話はさらにややこしくなります.
というのも,トマトは自分の身を守るために,イモムシに共食いを誘発する化学物質を分泌することがわかったのです.
Nature ecology & evolutionの論文を読む
さて,ここに病気のイモムシが登場すると,結末は....どうなるでしょう?
1)共食いで病気のイモムシがいなくなり,イモムシもトマトもハッピー
それとも
2)共食いで病気のイモムシがいなくなり,イモムシはハッピーだがトマトは当てが外れる.
答え)2)
共食いで病気のイモムシがいなくなり,イモムシ全体はより健康に,つまり,より空腹になるから.(トマトはやっぱり食べられちゃうんですね...)
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