塩化カルシウムはコンクリートに含まれている水酸化カルシウムと反応し,オキシ塩化カルシウムという巨大な分子を生じ,それがコンクリート内部の圧力を高め,コンクリートの劣化が始まるのです.
解決法として新しいコンクリートミックスが提案されました.これにはフライアッシュ,シリカ・フューム,スラグといった石炭や製鉄産業からの安い剰余物質が利用されています.
従来のコンクリートで作った試料とこの新しいレシピによるコンクリートで作った試料を塩水に浸け,高感度のアコースティックセンサーでクラッキングの有無を調べ,また化学反応をモニターするため,これらの材料を流れる熱を追跡しました.
その結果フライアッシュやスラグなどの成分を含む新しいレシピによるコンクリートは1か月以上も十分もったのに比べ,通常のコンクリートは1週間で亀裂が生じて粉々になってしまったのでした.
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なお,この新しいレシピについてもっとお知りになりたい方は,セメントアンドコンクリートコンポジット誌に報告された論文をご覧ください.
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