2017年9月17日日曜日

メラニンから生まれた新染料は紫外線に当たっても色が褪せず生体適合性を持つ

構造色(structural color)は,虹色に輝くシャボン玉,クジャクの羽根やハチドリの翼などに見られるもので,光が物体の表面の微細な構造に当たって跳ね返るときに生まれます.

構造色は本質的に玉虫色(iridescent)(チラチラと光る)で,固定した色の色素をつくることは難しいのですが,研究者らは,合成したメラニンを特別なシリカの皮膜の中に埋め込むことにより,生体適合性を持つ(biocompatible)新しい構造色を生み出すことに成功しました.

メラニンをシリカ膜に埋め込み,この微小なシリカ粒子を水に沈めて油を加えると,水が分離し,微小粒子は集まってミクロな「スーパーボール」ができます.

油を除去して得られる粉末状の染料は,従来の色素と同様に使うことができる上,紫外線に当たっても色が褪せないのです.またシリカの厚みを調節すると,色を様々に変えることができます.

メラニンは私たちの皮膚に含まれている色素なので,この新しい染料には生体適合性があり,単なる衣料やペンキなどにとどまらず広い用途に使えるのです.化粧品や食品,そして刺青にも!

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