宇宙に漂うガスの中から発見された1つの化合物.
これが炭素の起源の謎を解く鍵になるかもしれません.
人体の18%を占める炭素は命の源と考えられており,地球上の岩石,大気,海洋にも豊富に含まれています.しかしこの炭素が最初にどのようにして地球に登場したのか,これまではわかっていませんでした.
このたび天文学者は地球から430光年離れた,おうし座分子雲(Taurus Molecular Cloud)と呼ばれるガスの塊の中にベンゾニトリル(C6H5CN)の存在を確認しました.
ベンゾニトリルの中心にあるのは炭素原子6個からなるベンゼン環.これは多環芳香族炭化水素(polycyclic aromatic hydrocarbon,PAH)を形成する元になる化合物です.
科学者の考えでは,PAHは宇宙では極めてありふれた化合物.一方これまで天文学者はまだ一度も宇宙でこのような化合物を見つけることができなかったのです.
今回の発見は,地球のような惑星がどのように炭素を手に入れたのかを解明する第一歩になることでしょう.
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