2018年1月3日水曜日

赤ちゃんコウモリは様々な方言を学ぶことができる

コウモリには地域方言(regional dialects)があり,また野生のコウモリには群れごとに異なる発声(vocalization)がある事がわかっています.

さて,この方言は生まれつきのものなのか,生後学ぶものなのか,学ぶのであれば誰から学ぶのか?という研究がこのほど報告されました.

対象になったのはエジプトルーセットオオコウモリ(Egyptian fruits bats)
研究を行ったのはテルアビブ大学の研究者です.

今回の実験では生まれたばかりのコウモリの赤ちゃんを3つのグループに分け,それぞれに異なる方言を聞かせました.

その結果,成長したコウモリはそれぞれの方言を話すようになりました.
野生の環境ではこれらのコウモリは数十頭から数千頭のコロニーで育ちます.
コウモリの赤ちゃんはお母さんから学ぶだけでなく,群れから学ぶ「社会的学習」を行っているという結論が得られたのでした.

さてここで質問です.
ポッドキャストの最後でカレン・ホプキンが言っている言葉遊び,お分かりになりましたか?


60-Second Scienceを聞く

























答え:彼女は「this sort of social learning is sometimes called "culture." Even if you're living in a cave.」(この種の社会的学習は時には「文化」と呼ばれる.たとえ洞窟で生活していても.)と語っていました.

cave(洞窟)で生活している(=原始人を連想)コウモリがculture(=教養や洗練という意味もある)と呼ばれる社会的学習をしている.というのが面白いわけですね.

さらに説明すると:

ここではcultureとcaveがダブルミーニングで使われています.
cultureには文化という意味のほかに教養や洗練といった意味もあります.
caveはここではコウモリが住んでいる洞窟という意味で使われていますが,洗練とは対極のcave man「原始人のような粗野な人」を連想させる言葉でもあります.

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