私たちの耳に心地良い美しい鳥の鳴き声には,実は song (さえずり)とcall (地鳴き)の2種類があり,song は主にオスが歌う愛の歌,call はオスもメスも行う,仲間同士のコミュニケーションのためのものです.
ところで,鳥のように鳴くことができるイモムシがいるって,ご存知でしたか?
今日の60-Second Scienceに登場するのは,そんなウォルナット・スフィンクス・モスの幼虫です.
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これまでの研究では,イモムシがこの音を出すのは鳥のクチバシでつつかれたとき,だとされてきました.
イモムシは体をギュッと縮めて,気門から空気を押し出し,この音を作り出すのです.
でも,この音,アメリカコガラが仲間に警戒を呼び掛ける「地鳴き」にそっくり!
そこで,ワシントン大学の生物学者らはこの音をスピーカーで流して餌場に集まる鳥に聞かせてみたのです.
すると鳥たちはみんな逃げ出してしばらくの間戻ってこなかったとのこと.
この研究は7月18日〜21日,合衆国のオマハで開かれたInternational Symposium on Acoustic Communication by Animals(動物による音響コミュニケーション国際シンポジウム)で報告されたものです.
襲われたときの断末魔の音ではなく,身を守るためにこの音を出す能力が存在しているのだ,という発見に勇気付けられました.
自然の素晴らしさにあらためて脱帽!
単語リスト
walnut sphinx caterpillar ウォルナット・スフィンクス・モス(蛾)の幼虫
black-capped chickadee アメリカコガラ
spiracles 気門
nuthatch ゴジュウカラ
house finch メキシコマシコ
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