2017年8月23日水曜日

癌患者の腫瘍を移植したゼブラフィッシュが教えてくれること

今日は「Science News」のトピックをご紹介します.

ゼブラフィッシュというのはインド原産の体長5cmほどの魚です.


そんな魚が癌の治療にどう関わっているのでしょう?

現在の癌治療の問題の一つが,薬の選択.
この患者(の癌)に効くのはどの薬なのかが事前に分からないので治療が難しいのです.

ゼブラフィッシュの幼生に癌患者の腫瘍を移植し,魚の体内で癌細胞を増殖させると,この魚はその癌患者の小さなモデル(癌アバター)になります.

あとは薬をその水槽に垂らし,どの薬によって癌細胞が小さくなるかを調べることで,その癌患者にとって有効な治療法を知ることができます.

同じような癌アバターはこれまでマウスを使って行われてきましたが,マウスは育てるのに
時間もお金もかかるのです.

例えば,1000人の患者のマウス・アバターを作るのは到底無理ですが,魚なら十分可能です.ゼブラフィッシュのアバターは癌治療の個別化医療に大いに役立ちそうです.

今回の報告は,大腸がんを使った実験でしたが,今後乳がんなど他の種類のがんに対しても実験が行われる予定です.

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