ただし,この研究はオオタバコガ(tobacco budworm moth)のメスに対して行われたもの.Science Newsからのトピックです.
タバコガのような昆虫の場合,オスを引きつけるのはメスの体から出るフェロモンという化学物質.ところで,この匂いにも魅力的な匂いとそうでないものがあるのです.
研究対象にオオタバコガが選ばれたのは,イモムシの食害がひどいので,農業害虫としての研究が進んでいる(フェロモントラップが効果を上げている)ことからでした.
さて,フィールドスタディの結果,決してオスを引きつけることのないメスの存在に気がついた行動進化生態学者(behavioral and evolutionary ecologist)は,交配を繰り返すことにより,スーパーセクシーな匂いを持つメスと臭い(言葉が悪いですが)メスという2種類を作り出すことに成功しました.
これらをペアにしてデートゲームをさせたところ魅力的なメス同士のペアがほとんど必ずオスをゲットする一方で,魅力のないメスチームは一度もオスをゲットできませんでした.
ところが,魅力のないメスと魅力的なメスを組み合わせたチームでは,平均17%の確率で魅力のないメスもオスをゲットすることができたのです.
その理由を研究者は,オスは魅力的な匂いを目指して一直線に飛んでくるものの,近くなるとターゲットがあやふやになってしまうからだと説明しています.
ところで美人/不美人の組み合わせは魅力的なメスにとっても嬉しいのです.美人同士の組み合わせだとオスをゲットする確率は50−50ですが,魅力的ではないメスと一緒だとその確率が向上するからです.
ところで「このことは人にも当てはまりそうですね.不美人の中にいる美人は目立つ」と記事には書いてありますが,美人のそばにいる不美人のモテるチャンスも向上するのでしょうか?(どなたかご存知の方がいらしたら,教えて下さい....)
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ちなみに,記事中の「beauty is actually in the "nose" of the beholder」は「Beauty is in the eye of the beholder」(美は見る人の目の中にある=人の好みはさまざま)を下敷きにした表現ですね.
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