2018年2月3日土曜日

ダニ,この厄介なものー大型野生動物とダニと人間との関係について

ダニ.この厄介なもの.これに噛まれるとただかゆいだけではありません.

ダニが媒介する病気の中には,ライム病(Lyme disease)やロッキー山発疹熱(Rocky Mountain spotted fever),野兎病(tularemia)Q熱(Q fever)さらには脳炎(encephalitis)まで,実に多くの病気が含まれており,治療をせずに放っておくと,死に至ることもあるのです.

さてこのほどケニアで行われた調査によれば,大型の野生動物がいない地区で,ダニの数が大きく増加(370%!)していることがわかりました.

当初研究者らはこの結果に驚きました.ダニは大型の動物を好むので,大型の動物がいなくなれば,ダニの数も減るだろうと予想されたからです.

詳しく見ていくと,ダニは大型の動物にたどり着く前にまずネズミなどの齧歯動物(rodent)に取り付きます.大型の動物がいないので,数が増えた齧歯動物とともにダニの数も増加.

ここからが問題です.大型の動物がいない地域でダニが次に狙うのは誰か?
そう,私たち人間.

大型の野生動物がいない地域では,私たち人間がダニに襲われるリスクが高まっていることがわかったのです.

ケニヤと同様のことが他の地域にも当てはまるのかどうか,研究者らは現在カリフォルニアで調査を行っているということです.

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