2018年2月14日水曜日

SCIENTIFIC REPORTS 2017年人気のコンテンツ2本

2月9日に配信されたネーチャーのSCIENTIFIC REPORTS(メールマガジン)に掲載された「昨年人気のコンテンツ」

私の目にまず飛び込んできた記事は,「音楽に対する2種類の強烈な情動反応:鳥肌感と涙感の精神生理学」というもの.

実は,この論文は昨年7月31日に本ブログでご紹介しています.

鳥肌が立つ音楽と涙が溢れる音楽を科学する

ところで,昨年は気がつかなかったもう一つのコンテンツに今日は目を見張りました.

タイトルは「自殺既遂者におけるテロメア長とミトコンドリアDNAコピー数の異常」

心理的にストレスを受けたり,精神疾患にかかるとテロメア(●)は短くなります.
今回,自殺により亡くなった方のテロメアの長さを,健康な人のテロメア長と比べたところ,自殺した方のテロメアは明らかに短くなっていたことがわかりました.そして,この傾向は若い人や女性に顕著に見られたのです.
  • テロメアというのは細胞の染色体の端にあり,細胞分裂すると少しづつ数が減って短くなります.生まれた時におよそ1万5000ほどあったテロメアは35歳でおよそ半分になり,2000以下になると細胞がこれ以上分裂できなくなる「細胞老化」と呼ばれる状態になります.テロメアが減ると新たな細胞ができなくなるため,テロメアは命の回数券とも呼ばれています.(参考:NHKクローズアップ現代 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3974/)

また今回の研究では,自殺者において,健康な人で見られる年齢との相関(歳をとるとテロメアが減少する)はあまり見られなかったのでした.

詳しくは,下記のリンクからネイチャーのページをご覧ください.

ちなみに,この論文はオープンアクセスなので,だれでも読むことができます.
原著論文は英語ですが,リンク先にはネイチャーが作成した日本語の要約とやさしい英語の要約も付いています.

日本語の要約/英語のやさしい要約/原著論文(英語)を読む

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