シャチ(killer whale)またの名をオルカ(orca)はイルカ(dolphin)やベルーガ(beluga)と同様に様々な音(声)を出す海の生物です.
ところでシャチにはユニークな方言が群れごとに存在しています.
ということは,シャチには他の個体(例えば母親)の真似をして「新しい音」を学ぶ能力が備わっているはずです.
それを確認するために,このほどこんな実験が行われました.
1頭のシャチ(名前はウィキー)に他のシャチが発する新しい音(声)を聞かせ,真似させてみる.
さらにウィキーのトレーナーたちは彼らの話す英語もウィキーに真似させてみたのでした.
60-Second Scienceに録音されている,シャチの音(声)を聞く
私たち人間は声帯を使って声を出しますが,シャチが鼻腔から音(声)を出すことを考えると,ウィキーの英語はかなり上出来と言えそうです.
オリジナルの音声とウィキーが真似した音声を技術的に音響分析したところ,確かにウィキーはしっかりと真似をしていることがわかりました.
さて,この研究の目的はシャチが上手に英語を話すようになることではありません.
研究者らが注目しているのは,口頭言語(vocal language)の一つの側面である音声模倣(vocal imitation)の能力なのです.
模倣する能力があれば,文化を伝えていくことができます...
そして,シャチの群にそれぞれ存在するユニークなレパートリー(シャチの方言)も保存されていくのです.
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