昨日に続いて,汚れた海の話...
ニューヨーク市の海はとても汚れている.
そこに魚や植物が棲めないのは,窒素やリンなどの栄養分に富む水の中で藻が繁殖し,水中の酸素を使い切ってしまうからだ.
今回在来のイガイ(ムール貝の仲間)を使って,ブロンクス川の河口から栄養分を吸い出そうという試みがなされ,成功を収めた.
実験によると,ムール貝が取り込むことが可能な窒素の量は年間で60kgにも昇ることが示されたのだ.さらにムール貝の数を増やせば,かなりの水質改善効果が期待出来る.
今回実験に使われたムール貝(イガイ)は表面にうねのある「ribbed mussel」で,もともとこの地にたくさん生息していた.
バクテリアを食べてくれるほか,窒素やリンなどの過剰の栄養分を吸収する植物性プランクトンもこの「ribbed mussel」の餌なのだ.
一方,私たちには美味しくないので,水質改善用の貝が盗まれて地元のレストランに売り飛ばされる心配もない.
今回は成貝を使用したが,幼貝を利用すればもっとたくさんの栄養分を吸い上げることができる.また貝は時々取り替えなくてはならないが,使った貝はその後,鳥の餌などに利用することも可能だ.
「栄養分をリサイクルする」,これが肝心なのだ.
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