今日はウガンダの森に住むチンパンジーのお話です.
チンパンジーには危険を仲間に知らせる声(alert hoo)と落ち着いている時に出す声(rest hoo)があります.
さて実験の内容はこうです.
まず森の中に偽物の蛇を置き,そこに
1)あらかじめ録音したチンパンジーの「危険を知らせる声」を流します.
偽物の蛇はそのままにして,今度は
2)チンパンジーが「落ち着いた時に出す声」を流します.
実際のチンパンジーが現れて,偽物の蛇を発見した時,
彼の行動は,1と2で差があるでしょうか?
差があるとしたらどのように異なるでしょうか?
A 差がない.蛇を見たチンパンジーはどんな声を聞いたときでも同様に,危険を知らせる声を出す.
B 差がある. 1)の場合の方が危険を知らせる声を多く出す.
C 差がある. 2)の場合の方が危険を知らせる声を多く出す.
60-Second-Scienceを聞く
答え 2.蛇を見る前に仲間の「落ち着いた時に出す声」を聞いたチンパンジーは,近くにいる仲間はこの危険に気づいていない,と理解し,危険を知らせる声やジェスチャーを盛んに発する.一方1の場合も,危険を知らせる声は発するものの,仲間はこの危険をすでに知っている,と考えているので,それほど盛んには声を出さない.のでした.
コミュニケーションの相手(自分の声を聞く仲間)がどう受け取るか,に合わせて自らのコミュニケーションを変えていくというのは,複雑な社会生活を送る知能のある猿(霊長類)にとって重要な資質ですね.
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