2019年7月17日水曜日

毎週自然の中で2時間を過ごすことは体と心の健康に役立つ

自然に親しむことは体に良い,というのは大昔から知られている事実ですが,一体何時間,自然の中で過ごせば,心と体に良い影響があるのか?という質問に答えられる人(お医者さん)はいませんでした.

さて,このほどイギリスで2万人を対象に行われた調査からわかったことは

1週間に2時間,自然の中で過ごすと健康に良い ということ.

それ以下では効果が現れないそうです.
そしてこの2時間という数字は,年齢や性別,人種,職業,社会経済的レベルには関係なく共通で,さらには長期間病気の人や,障害を持つ人にもこのことは当てはまったのです.

この研究はScientific Reports誌に発表されました.論文(英語)を読む

では,ここでT/Fクイズをやってみましょう.
次の文が正しければTを間違っていたらFを記入してください.

1. 自然の中で過ごす2時間は,一度に2時間過ごしてもいいし,短い滞在を繰り返してトータルで2時間過ごしても良い.

2.研究者は調査をする前から,おそらく2時間位だろうと見当をつけていた.

3.2時間という理由について,研究者は医学的に根拠のある数字だと言っている.

解答はこの下に

60-second scienceを聞く





















1.T "People who spent at least that much time amid nature—either all at once or totaled over several shorter visits—were more likely to report good health and psychological well-being than those with no nature exposure. "

一度に取っても,数回に分けても良いということですね.

2. F "I have absolutely no idea. Really. We didn't have an a priori guess at what this would be, this threshold. It emerged. And I'd be lying if I said we predicted this. I don't know." 

これを予想していたと語ったら嘘になる.と言っています.

3.F   "While the findings are based on a tremendous number of people, White cautions that it’s really just a correlation. Nobody knows why or how nature has this benefit or even if the findings will stand up to more rigorous investigation"

多数の人を対象にした調査の結果であっても,今回の結果は単なる相関に過ぎず,何故,あるいは,どのように,自然が良い影響を与えているのかについてはわかっていない.さらに今回の知見が,さらに厳しい調査研究に耐えるかどうかもわからない.と言っています.