2021年12月8日水曜日

金星堂のオンラインセミナーに登場します


みなさまの中に Science at Handという書籍をご存知の方はいらっしゃるでしょうか?

これは、スミソニアン誌ウェブサイトに掲載されているSmart Newsの記事をもとに、科学英語特有の文法の解説や問題演習などを加えた、科学英語の教科書です。

昨年の1月に語学図書出版社の金星堂から発売され、昨年、今年と私自身も大学の科学英語の授業で使ってきました。

さて、来年1月16日、英語の先生向けに「科学英語教材の活用方法」と題したオンラインセミナーが行われることになり、私も登壇させていただくことになりました。

その他には「Inside Science」を執筆された東京理科大学の松本和子先生、「Science fo Fun」を執筆された近畿大学の服部圭子先生がご講演なさいます。

教科書に込めた思いのほか、実際の教室での実施例などもお伝えする予定ですので、科学英語というジャンル、また科学英語教材の効果的な活用方法などにご興味のある先生におかれましては、下記のウェブサイトよりお申し込みくださいますようご案内申し上げます。

https://www.kinsei-do.co.jp/events/

質疑応答の時間なども用意してありますので、活発な意見交換などができれば、大変うれしく思います。


2021年9月14日火曜日

地球磁場を利用して渡りをする鳥の秘密に迫る!2021年8月4日付け60-second scienceより


ヨーロッパコマドリ
ヨーロッパコマドリ

長い距離を移動する渡り鳥の体内には磁気コンパスがあるのではないかという考えは以前より存在し、最近では、網膜に存在する青色光受容体「クリプトクロム(cryptochrome)」を通じて鳥が地球の磁場を感知しているのではないか、とする研究も発表されています。

このほどnatureに発表された研究によれば、渡をする鳥(ヨーロッパコマドリ)のゲノムからバクテリアを使って作り出したクリプトクロムに青色の光と同時に磁場を当てると、その強度によって2種類の競合する化学反応が生じることがわかりました。そこから先はまだ完全に明らかになっていませんが、化学反応の結果生じる形状の異なるタンパク質が細胞内で他のタンパク質と相互作用することで、鳥は磁場を「感知」するのではないか、とのことです。

その他、渡りをしない鶏などと比べると渡りをするヨーロッパコマドリのクリプトクロムはより磁場に対する感度が高かったこともわかったのでした。


さてここでクイズです。

1)オルデンバーグ大学のモリッツェン博士は渡り鳥は役立つものならなんでも利用する、と語っていますが、次の中で博士が言及していないものはどれ?

a) 星(star)    b) 太陽    (sun)     c) 匂い    (smell) d) 目印 (landmark) e) 風(wind)

2)最後にインタリアータさんは、今回の実験は鳥の体外(つまり試験管内)で行われたものだが、将来は実際に鳥の体内で行えることを、そして本当の・・・を手に入れることを科学者たちは希望している、と語っています。言葉遊びになっているこの・・・に入る言葉は何?

答えはこのページの下に。


最後にSongbird(鳴禽類)と言われるEuropean robinの鳴き声をどうぞ。

ヨーロッパコマドリの鳴き声














解答

1)e) 風(wind)
2)bird's eye view(鳥瞰図、全景)

2021年9月8日水曜日

天敵不在のオオヒキガエルのオタマジャクシは大きいものが小さい仲間を食べる!ー2021年9月1日付けSmartNewsより


Cane toad tadpoles(オオヒキガエル) (Froggydarb via Wikicommons under CC BY 3.0)

オオヒキガエル(cane toads)は1935年、害虫退治の目的でオーストラリアに持ち込まれました。イボに覆われ、まゆげのような突起のある、この両生類の皮膚には毒があり、口に入る大きさであれば、ネズミから鳥までなんでも食べてしまい、天敵がいません。やがて、侵入生物種である彼ら自身が有害生物になってしまいました。

さて、他の動物に捕食されることのないオオヒキガエルは、個体数を低く維持するために、おたまじゃくしが共食いをします。小さなおたまじゃくしは、なんとか食べられないための対抗手段を考えました。つまり、大きい仲間の餌食にならないように、小さくひ弱である期間を短くしようと、なるべく早く成長するのです。この研究結果は、Proceedings of the National Academy of Sciencesに発表されました。

故郷である南アメリカに住むオオヒキガエルでもオタマジャクシの共食いはすでに観察されていましたが、オーストラリアに住むオオヒキガエルの方がより頻繁に行われることがわかりました。

そして、食べられてしまう危険により晒されているオーストラリアのオタマジャクシの成長速度は南アメリカのオオヒキガエルと比べるとずっと速かったのです。

SmartNewsの記事(英文)を読む

2021年8月30日月曜日

イカの記憶力は年と共に衰えない、という不思議!ー2021年8月20日付けSmartNewsより

今月イギリスの学術誌Proceedings of the Royal Society B:Biological Sciencesに発表された研究によれば、common cuttlefish (モンゴウイカ)の記憶は歳をとっても衰えないことがわかりました。

モンゴウイカの老体も老化現象(筋肉の衰えや食欲の減退など)は示すのですが、記憶力については若者並み。「年とともに記憶が衰えない動物」の最初の報告例になりました。

論文を読む

体の大きさの割に大きな頭脳をもつイカは無脊椎動物(invertebrate)の中ではもっとも知能が高いとされており、科学者の研究によれば、これまでに、迷路やパズルを解いたり、さらには、目の前のあまりおいしくない食べ物は見送り、我慢することで、後にもっと美味しい食べ物を手に入れるという訓練もできることがわかっていました。

今回の研究で実験に使用されたのは老若含めて24匹のモンゴウイカ。美味しさの異なる餌2種類と白と黒に塗り分けた領域を使った記憶力テストで、老体は若者と同様の記憶力を示しました。

が、その記憶力にも限界があり、死ぬ2、3日前になると記憶力も学習能力も大きく下がるのです。

実は、イカが生殖活動をするのは寿命が尽きる前なのです。そこでこの記憶力の良さはいつ、どこで、だれと交接したかを覚えている(ひいては自分の遺伝子をより広くより遠くまでばらまく)のに役立っているのではないか、と研究者らは考えています。

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2021年8月25日水曜日

ショウジョウバエだって寂しいと食べる量が増え、睡眠時間が減るのですー2021年8月20日付けSmartNewsより

英語のジョークです。

What does the "19" in Covid-19 stand for? The number of pounds you gain when you're lonely in lockdown.

Covid-19(新型コロナは英語ではこう呼ばれている)の19って何を表しているの?ロックダウン中に寂しくて増えてしまったあなたの体重(19ポンドは約8.6kg)

実際、多くの人は孤独になると体重が増え、社会的交流が減ると睡眠時間も減少する傾向があることが知られています。

ところで、このほどNatureに発表された論文によれば、ショウジョウバエも同様に振舞うことがわかったのです。

Drosophila melanogaster(キイロショウジョウバエ)1匹だけ試験管に入れ、1週間隔離したところ、食事と睡眠に変化が生じたのですが、同じ試験管にショウジョウバエを2匹入れた場合にはそのような変化は生じませんでした。

調べてみると、隔離された昆虫の脳細胞(P2ニューロン)変化が生じていました。P2ニューロンは摂食、睡眠挙動に影響を与える作用をもつこともわかってきました。

研究者らは、ショウジョウバエにとって「孤独」が重大なpathological consequences(病理学的帰結)をもつこと、そしてそれは私たち人間にとっても同様であると言います。

臨床志向の研究によれば、Covid-19の隔離予防策のために米国の成人の多くが過去1年で大幅な体重増加と睡眠不足を経験したとされています

この小さなハエは、新型コロナパンデミックの状況下で生きる私たちの振る舞いを模倣しているのかもしれません。私たちの間には生物として何か共通する理由があるのでしょう。

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2021年8月20日金曜日

若者の便を移植すると、脳の若返りを図ることができるのか?いえ、ネズミの話です。ー2021年8月11日付けSmartNewsより

今日お伝えする8月11日付SmartNewsの記事は冒頭の1行が洒落ています。

Scientists may have found a crappy solution to winding back the clock. 

科学者たちは時間を巻き戻すくそみたいな方法を見つけたのかもしれない。

くそみたいな、というのは下品に聞こえますが、英語では日常的に使われているそうで、何よりこの記事の主題はまさに「糞」。

若いネズミの糞(腸内細菌)を年取ったネズミの腸内に移植(つまり糞便移植)したところ、年と共に衰えてきた認知力が回復、つまり脳が若返ったという実験結果がこのほどNature Aging誌報告されたのです。

腸内細菌は消化のみならず免疫システムにおいても重要な役割を果たしていることはすでに知られていましたが、老化との関係についてはあまり明らかになっていませんでした。

研究チームは若いマウスの便をスラリーにし、老齢マウスに週に2回栄養管を通じて与えたところ、8週間後には老齢マウスの腸内には若いマウスと同様にEnterococcus(腸球菌)が増え始めたのでした。

脳内のhippocampus海馬)と呼ばれる、学習や記憶を司る部分にもまた物理的、化学的変化が現れ、若がえってきたのです。

ところで糞便移植は人間でも行われていますが、それはirritable bowel syndrome(過敏性腸症候群)の治療などに限られており、今回の研究結果が即若返りの方法として人体に応用されるかと言うと、すぐには期待できそうもありません。

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2021年8月10日火曜日

発電用の風力タービンを大型化すると、さらに鳥の死亡率は高まるのか?その答えを嗅ぎつけたのはわんちゃん達ー2021年7月29日付けSmartNewsより

画像提供:Pixabay

クリーンエネルギーとして注目されている風力発電は、野生生物にさまざまな悪影響をおよぼしています。中でも風車との衝突事故(バードストライク)が発生する鳥やコウモリはもっとも被害にあっている生物です。

近年これらの発電施設は、さらに多くの電力を求め、大型化が図られて来ました。しかし、風車が大きくなると、さらにバードストライクは増えるのでしょうか?

さて、このほど行われた研究(論文を読む)によると、新型の大きな風車も旧式の小さな風車も、鳥に対する脅威という点からは差がないことがわかりました。

データを収集するにあたり、大活躍したのがconservation dog(自然保護のためにトレーニングされている犬)です。小型の鳥類やコウモリを探し出す能力はなんと人の2.7 ~ 6.4倍。2020年にJournal of Wildlife Managementに発表された論文では、ある調査地において「69回の探索で人がコウモリを1体しか見つけられなかったのに対し、conservation dog は55回の探索で71のコウモリの死体を発見した」とのこと。

SmartNewsの記事は、conservation dogが科学にとって大きな財産である。と締めくくっています。彼らの活躍はマサチューセッツ州でのコロナ汚染、ウィスコンシン州に侵入した泥カタツムリ、アフリカの密猟者、さらには海洋生物研究における鯨の糞、と多岐に渡っているのです。


2021年8月2日月曜日

ラッコが冷たい水の中で体温を維持できるもう一つの理由がわかりました。2021年7月13日付けSmartNewsより

 

ラッコは高い新陳代謝率により冷水中で体温を維持できる
canopic via Flickr under CC BY-NC-ND 2.0)
クジラなど冷たい海で生きる海洋動物には体温を維持するための厚い脂肪(blubber)が備わっているのに比べ、ラッコは小型でほっそりとした体型です。これまで、体温維持の秘密はその毛皮にあると考えられてきました。非常に密集して生えている毛の間に入り込んだ空気が熱を遮断するのです。

ところが、このほどサイエンス誌に発表された論文によれば、ラッコには新陳代謝率を高め、体温を維持するもう一つのワザがあったのでした。

それは筋肉が生み出す熱でした。筋肉といえば、体を動かすのが仕事で、その際熱が生じますが、体を動かさなくても筋肉から熱が生まれることがあり、それがプロトン・リークと呼ばれるミトコンドリアによる呼吸(proton leak respiration)だったのでした。

SmartNewsの記事を読む

2021年7月26日月曜日

水面の裏側を逆さまになって歩く虫のお話。2021年7月6日付けSmartNewsより

オーストラリア、ニューカッスル大学の行動生態学者John Gouldは、おたまじゃくしを探していたときに、たまたまこのガムシの挙動に気がつき、携帯で撮ったビデオをドイツ、ライプツィヒ(German Centre for Integrative Biodiversity Research)の野生生物生態学者である Jose Valdezに送りました。そこからこの研究が始まったのでした。

Hydrophilidae(ガムシ)
Andrew C via Wikicommons under CC BY 2.0


ビデオの映像中、ガムシは、まるでガラステーブルの裏側を歩いているかのように、自由に水面の裏側を逆さまになって歩き回っています。(ビデオを見る

この挙動の鍵になっているのはガムシの抱えている泡。この泡が酸素を供給するため、ガムシは水中に長時間滞在できると同時に浮力も与えられ、エネルギーを使わずに水面の裏側にくっついていることができるのです。(例えば、トカゲの場合は、大急ぎで走らないと水中に沈んでしまうため、大変なエネルギーを使うわけですね。)

さて、今回の知見は、今後「虫ロボット」の開発に利用できそうです。

"Such robots could stay underwater indefinitely if powered by the sun and could collect data year-round,"とValdezは語っています。

SmartNewsの原文はこちらから

ところで、日本でも、サカマキガイがこのように水面の裏側を移動(この場合は這って歩く)することが知られており、楽しい動画もアップされています。


2021年3月17日水曜日

光合成をする緑色のウミウシが自らの生き残りをかけて行うのは?衝撃ビデオ映像

コノハミドリガイ(海遊館サテライトギャラリー「ウミウシminimini水族館」より)

緑の植物は水と二酸化炭素と光さえあれば、自らブドウ糖を合成し、生きていくことができます。

もし私たちの皮膚にクロロフィルが含まれていたら、夏の海辺でソーダを飲みながら日光浴しているだけで、生きていけるわけですね。(皮膚が緑色になるという点には目をつぶらなくてはいけませんが。。)

ところで、それを実際に行なっている動物がいるのです。(海辺の日光浴ではなくて光合成の方ですョ)

上の写真のコノハミドリガイというウミウシは、食べた海藻に含まれていた葉緑体を自分の体に取り込み、光合成をする数少ない動物の一種。(ちなみに葉緑体は自分では作れないので、海藻を食べずにいるとだんだんと色は白っぽくなってしまうそうです。)

そんなコノハミドリガイですが、最近興味深い事実が論文で発表されました。

体が寄生虫に侵されると、自ら頭部と胴体を切り離し、新しい胴体を再生して生き延びていくのです。トカゲが自らしっぽを切って敵から逃げるという「自切」は有名ですが、心臓がある胴体を切り捨ててしまう例は初めての発見。

この研究は奈良女子大学の大学院生三藤清香さんが遊佐陽一教授とともに、論文を2021年3月8日付けの米科学誌カレント・バイオロジーに発表したものです。

この動画、切り離された頭部が胴体の周りを名残惜しそうに泳いでいるように(私には)見えてなりません。

動画を見る

論文を読む


ちなみに、地球温暖化を解決するひとつの有力な方法として現在人工光合成が話題を集めています。緑の植物が水と二酸化炭素を原料に、光のエネルギーを利用してブドウ糖を産生するためにはクロロフィル(葉緑素)が必要ですが、その活性中心にあるのがマグネシウム錯体。現在、人工光合成のためのさまざまな金属錯体の研究が進められています。


2021年2月15日月曜日

ミツバチも子育て中は睡眠不足!


先月に続き、今月も60-Second Scienceのポッドキャストからミツバチの話題です。

私たち人間と同様、幼虫の世話をするミツバチは睡眠不足であることがわかりました。

幼虫(larvae)の世話をしているマルハナバチ(bumblebee)は特にナース(nurse)と呼ばれますが、エルサレム(イスラエル)のヘブライ大学でポスドクをしているナガリさんはナースは他の働き蜂よりも睡眠時間が少ないことを突き止めました。

絶えず幼虫に餌を与える必要があるからだろう、と幼虫の代わりに蛹(pupa)を置いたところ、やはり睡眠不足が生じ、さらには蛹を取り除いた繭(cocoons)でも同じ効果が現れたのです。

Current Biology誌に発表した論文で、睡眠不足を生じさせているのは幼虫の発するフェロモンではないか、と彼は考察しています。


では、ここでクイズです。

このポッドキャストには睡眠という言葉が何種類も出てきますが、次の中で登場したのはどれとどれ?(正解はこの下に)

1)sleep

2)nap

3)z’s

4)shut-eye

5)siesta

60-Second Scienceを聞く


Current Biology誌に発表された論文はこちらから。












解答 1)sleep 、3)z's 、4)shut-eye の3つでした。

2021年1月27日水曜日

スズメバチの襲撃から巣を守るためにミツバチが利用するのは?


今日は久しぶりに60-Second Scienceのポッドキャストをご紹介します。

2021年1月11日に発表されたこの録音、ナレーターはJason G. Goldmanさん。

ゴールドマンさんのナレーションはかなりゆっくりなので聞き取りやすいと思いますが、ミツバチの羽音に続くヘザー・マテラさん(米国ウェルズリー大学の生物学者)のコメントは少し手強いかもしれません。

それでは、音声を聞いて、次の3つのクイズに答えてください。(答えは下に)

1)この研究が行われた場所はどこ? A 日本 B ベトナム C 米国

2)ミツバチがスズメバチの襲撃を避けるために巣に塗りつけるものは何?

  A 水牛や鳥のふん B クモの糸 C 花の蜜

3)スズメバチをやっつける手段としてミツバチが行う「大勢で取り囲み、中心のスズメバチを酸欠と加熱により殺す」ことを何と言っていた?

  A  Cooking     B  Choking     C Creating a heat ball

60-Second Scienceを聞く

単語リスト

honey bee    ミツバチ
hornet           スズメバチ
invade           侵入する
hive              ミツバチの巣
choke            窒息させる
larva             幼虫

















解答 1)Bのベトナム 2)A の水牛や鳥のふん 3)C の Creating a heat ball



2021年1月7日木曜日

ボストン・ダイナミクスのアトラス、スポット、ハンドルが繰り広げるダンスシーンは必見!2021年1月4日付けSmartNewsより

まずはこのダンスをYoutubeでご覧ください。

YouTubeを見る

個人的には1分40秒あたりの黄色い犬型ロボットのバレリーナのような足捌き(bourre)に魅了されました。(ところで彼はすでに2018年のビデオでダンサーデビュー。ランニングマンのステップも公開しています。)

さて、このスポットには長い蛇のような首がありますが、これは実はドアを開けるために改良されたもの。

ちなみにお値段は75,000ドル(770万円)(2020年6月)とか。

これらのロボットは産業用(箱を運搬する)や危険な現場での作業用などに開発されたものですが、ここまで来ればエンタテーナーの将来もありそう。人間の身体では生み出せない美しいステップを見てみたい、と思うのは私一人でしょうか?

SmartNewsの記事を読む


2021年1月4日月曜日

二酸化炭素を鉄触媒と反応させて航空機のジェット燃料を作り出す!2020年12月31日付SmartNewsより

Wolf Craft via Me Pixels under CC0

今日、航空機のジェットエンジンが排出する二酸化炭素の量は、全世界の輸送関連二酸化炭素放出量の12%を占めています。

二酸化炭素は言うまでもなく気候温暖化の原因ですが、これを原料にして、ジェット燃料を作り出すことができれば?

実は、二酸化炭素から燃料を作り出す試みはこれまでも行われているのです。が、それにはコバルトなどの希少で高価な金属が必要でした。今回の研究の強みは安価で大量に存在する鉄を使用していることなのです。

2020年12月にNature Communicationsに発表された論文によれば、ステンレス製の反応容器に二酸化炭素、水素、クエン酸、マンガン、カリウム、そして鉄触媒を入れ、加圧加熱下で20時間反応させることにより、二酸化炭素の38%をジェット燃料(および水、エチレン、プロピレンなど役に立つ副生物)に変換することに成功しました。

現在はまだ実験室での研究段階で、得られた燃料も数gに過ぎませんが、今後スケールアップに成功すれば、カーボンニュートラルな空の旅につながることでしょう。