2016年8月5日金曜日

癌をやっつける「カミカゼ」バクテリアのお話

Scientific Americanの記事によれば癌を殺す薬を積み込んだ「カミカゼ」バクテリアが癌の深層部を攻撃するという研究が進んでいるそうです.

Kamikaze Bacteria Attack Deep Tumors with Deadly Carbo

Scientific Americanの記事を読む

抗がん剤を産生し,自爆するように遺伝子操作されたサルモネラ菌を患者に経口投与すると,サルモネラ菌は腫瘍の内部に入り込み,増殖しながら抗がん剤を産生しますが,ある数以上に増えると自爆装置が働いて分解し,内部に溜め込んだ抗がん剤が放出されるという仕組みです.

カミカゼバクテリア単独では化学療法以上の効果は見られなかったそうですが,化学療法と組み合わせると転移性肝臓癌の大きさが縮小,平均余命も50%増加したとのこと(マウスを用いた実験).

自爆テロの報道でカミカゼ(フランス語の発音だとカミカズって聞こえる)という語を聞くことが多くなり,悲しい思いをしていましたが,こんな「カミカゼ」なら大歓迎.

化学療法が不得意な腫瘍の奥深くに侵入して癌をやっつけてくれる.

もっとそんなカミカゼバクテリアの出現に期待したいと思います.

2016年7月14日木曜日

クラークの三法則

今日も「赤外分光30講」のTea Timeから面白いトピックをご紹介します.

アーサー・クラークといえば映画「2001年宇宙の旅」の原作者としてご存知の方も多いと思いますが,そのクラークが定義した「クラークの三法則」という法則があるそうです.

第一法則:高名だが年配の科学者が「それは可能である」といった場合,その主張はほぼ間違いない.また「それは不可能である」といった場合には,その主張はまず間違っている.

第二法則:可能性の限界をはかる唯一の方法は,不可能であるとされることまでやってみることである.

第三法則:十分に発達した科学技術は,魔法と見分けがつかない.

第二法則と第三法則は納得ですね.特に第三法則は,ハリーポッターを読んでいる時にしばしば感じたことでした.

ところで,第一法則の「その主張はまず間違っている」というのが,とても興味深いのですが,これもまた真実だそうです.というのも,19世紀に活躍したフランスの社会学者,哲学者,天文解説者のオーギュスト・コントは生前「天体の化学的組成は,我々地上の人間には永遠に知ることができない」と喝破したそうなのですが,彼の没後わずか2年でこれが覆されました.分光分析法を創始したハイデルベルク大学のブンゼンとキルヒホッフによって,宇宙の彼方の恒星の元素分布が細かくわかるようになったのです.

それでは,ここでちょっと英作文の時間.
上の第一,第二,第三法則を英語で表現すると?


答えはこちら


単語帳

first law :  第一法則
distinguished : 有名な,著名な,高名な
elderly: 年配の
state that ~ : 〜と述べる
probably:  おそらく,多分,十中八九(perhaps や maybeよりも確信度が高い)
discover: 〜であることを知る(悟る)
the possible: 可能性
venture into: 〜をやってみる
a little way: 少し
past them: それを超えて(themはthe limitsを指す)
sufficiently: 十分に
advanced: 進んだ,高い水準に達した
indistinguishable from ~: 〜と区別できない

2016年7月12日火曜日

赤外線の発見

最後の更新からあっという間に1年!

すっかりご無沙汰いたしましたが,先月フランス語の学校を卒業し,宿題に追われた(?!)学生生活にもピリオドを打ちましたので,ブログを再開いたします.

さて,皆さんは 赤外線の存在にいつ誰が気づいたのか,ご存知ですか?

実は天王星の発見者として有名な,ウィリアム・ハーシェル(Sir Frederick william Herschel)が 1800年にプリズムと温度計を使って赤外線を見出したのです.ニュートンにならって太陽光をプリズムで分解したハーシェルは,青よりも黄,黄よりも赤の光の温度が高いこと,そして赤色の外側の暗い場所の温度がさらに高いこと,つまり目には見えないある種の光(赤外線)が存在することに気づいたのでした.

この実験の様子を,カリフォルニア工科大学が簡単な英語と写真で解説しています.

カルテックの記事を読む

” ...Herschel was interested in measuring the amount of heat in each color. To do this he used thermometers with blackened bulbs and measured the temperature of the different colors of the spectrum. He noticed that the temperature increased from the blue to the red part of the spectrum. Then he placed a thermometer just past the red part of the spectrum in a region where there was no visible light and found that the temperature there was even higher. Herschel realized that there must be another type of light which we cannot see in this region. This light was called infrared.”

告白すると,これまで赤外線がどのようにして発見されたのか,全く知りませんでした.
白色光を分解して得られる虹の7色のそれぞれの温度を測定するなんて,着眼点が素晴らしいですね!

このエピソードを知ったきっかけは,3月に発売された「赤外分光30講」(山崎昶 著 朝倉書店).IRスペクトルは私が大学生だった頃(もう40年前のことです!)から今に至るまで,機器分析の重要な手法ですが,実は,私には有機化学の学生実験でIRを使って混合物の分析をするのが本当に大変だった,という苦い思いがあるのです.(;  ;)

今回,山崎先生の「やさしい化学30講」に取り上げられたので,当時を思い出しながら,私も今改めて赤外分光の復習中です.

山崎先生ならではのエピソードや薀蓄の溢れたこのご本.赤外の勉強を始めたばかりの学生さんのみならず,化学に興味のある一般の方や高校の先生方にとってもきっとすごく参考になると思います.書店で見かけたら,是非一度お手にとってご覧ください.

2015年7月19日日曜日

ロボットスーツ HALが工事現場で活躍する!

昨年の授業で取り上げた「ロボットスーツHAL」

先日見たアメリカ映画の中で、あきらかにロボットスーツでパワーアップしている兵士が出てきたのを見て、ああ、将来こういう方向に利用されることも避けられないのだろうなぁ、とすごく悲しくなったのですが、今日は素敵なニュースを見つけたので、ご紹介します。

動画を見る

これからいろいろな現場でロボットスーツ(アシスト)が活躍しそうで、楽しみです。

ところで、外骨格着用下肢麻痺者によるキックオフイベントが評判になっていた2014年のワールドカップでしたが、予告映像とは違い、実際のキックオフイベントはあまりぱっとしなかったようですね。

動画を見る

2016年にはオリンピックが同じブラジルで開催されるので、今回の挽回が期待できるかもしれません。

2015年6月29日月曜日

Websiteのお引越し

突然ですが、Websiteを引越しします。
本来はトップページにこのご案内を出すべきなのですが、今フランスにいてホームページを作ったパソコン(とソフト)が日本にあるために、こちらのwebsiteに手を加えることができません。

新しいWebsiteはフランスで作りました。
少しづつ手を加えていく予定なので、こちらもよろしくおねがいいたします。

一番新しいWebsiteを見る

2014年12月8日月曜日

虫が街をきれいにしてくれるというお話

お元気ですか?

恒例のクリスマス市が始まり、イルミネーションが美しいストラスブールでは、先月の終わり頃から急に寒さが厳しくなり、手袋をしていても指先がかじかんでしまうこのごろです。




さて、今日ご紹介する60 Second Scienceは「Big Apple's Insects Eat Streets Clean」

ポッドキャストを聞く

語彙

cringe                                            怖くて身がすくむ
beetle           カブトムシなどの甲虫
wasp                               スズメバチ
arthropod          節足動物
disposal             廃棄(処理)
trash            ゴミ
consume                              消費する
equivalent            同等の
otherwise                そうでなければ
assume           ~だと仮定する
chow down         食事を取る
discarded                                    捨てられた
get rid of         一掃する、処分する
medians                                     中央分離帯(道路の)
contrary to                                ~に反して
prediction          予測
garbage            ゴミ
consumption         消費
admirer            崇拝者、ファン
pest                                             有害な小動物、害虫
rat            ネズミ


いくつかの問に答えてみてください。(回答は下に)


問1 Big Apple's Insects というのは何?

a) 大きなリンゴの中にいる虫
b) ニューヨーク市に生息している虫

問2 マンハッタンの一角で虫たちが食べるゴミの量はホットドッグに換算すると年間どれくらい?

a) 6百本
b) 6千
c) 6万本

問3 道路の中央分離帯と公園にホットドッグ、ポテトチップス、クッキーなどを置いて実験したところ、虫たちの食べる量は多かったのはどっち?

a) 公園
b) 中央分離帯

問4 最後の There's some food for thought.ってどういう意味?













回答
問1 b      問2 c     問3 b 問4  考えるべき材料がある。参考になる、ということ。

2014年11月5日水曜日

久しぶりの60 Second Science!今日ご紹介するのは「Button Battery Coating Lessens Risk If Swallowed」

お元気ですか?
ストラスブールはすっかり晩秋の装いになり、街角には甘い焼きぐりの香り!

さて、今日は久しぶりに60 Second Scienceのポッドキャストをご紹介。
ボタン電池は小児の誤飲による被害が絶えない(毎年何千人も救急治療室に運ばれている)そうですが、コーティングを施すことでこれが回避できるというお話。

ポッドキャストを聞く

語彙

swallow             飲み込む
short-circuit           ショート(短絡)する
esophageal environment        食道内で
the tissue             組織(theがついているので食道組織)
prolific inventor          発明数の多い発明家
a protective coating        保護皮膜(コーティング)
quantum-tunneling composite   量子トンネル効果を利用した複合材で圧力センサーとして利用される。
a hearing aid             補聴器
waterproof                   防水性
corrosion             腐食
porcine esophagus         ブタの食道

このコーティングは絶縁層中に導電性の金属粒子が懸濁しているので、万一誤飲されても食道内では電気を通さず(ショートせず)安全、でも補聴器の細い穴に突っ込むなど圧力の加わった環境では電気が通るので、通常の電池として作動する、という仕組みになっているわけですね!

さて、以下はこれを使ってヒアリングの練習をしたいという方へのメッセージです。

1)最初はそのまま音声を聞く、次は
2)上の語彙を読んでから音声を聞く、そして
3)テキストの文字を目で追いながら音声を聞く、
(ここで、必要ならじっくりとテキストを読み、内容を確認する作業を入れる)最後に
4)音声を聞きながら、それに合わせてテキストを声に出して読む(この作業がとても大切!)
5)改めて音声を聞く。

というステップを実践してみてください。1)から5)までで30分もかからずにトレーニングができると思いますが、5)の時に英語が以前より「ゆっくり」「はっきり」聞こえて来たら素敵!
「大体」でもいいので、話の流れが頭にすーっと入ってくるようになったら最高ですね!

スピードの早いポッドキャストはヒアリング力を高めるのに大変有効です!

それでは、どうぞ今日もよい一日を!