2017年8月3日木曜日

新しい生体用接着剤のヒントはナメクジの粘液

一般になめくじは,体から粘液(mucus)を分泌しますが,ある種のなめくじが分泌する粘液はとても接着力が強いことで注目を浴びていました.

この分泌液の研究から,生体用の新しい強力合成接着剤が開発されました.

組織接着剤(tissue adhesive)は,健康な組織に与える影響が少ないため,これまで使われていた縫合糸や外科用ホチキスに代わるものとして期待されています.

ただ従来のものは細胞毒性(cytotoxic)がある,接着力が弱い,あるいは水分を含む環境では使用できない,などの欠点がありました.

このほど新しく発表された接着剤は血液などで濡れていても,形が凸凹していても,そして動くものに対しても,強力に接着できるため,傷口の包帯(wound dressings)や組織修復(tissue repair)などに活躍しそうです.

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今回の研究の対象になったナメクジ「ダスキー・アリオン(学名 Arion subfuscus)」

(上記の写真は撮影Erik Veldhuis氏,編集Tom Meijer氏によるものです)

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