2017年10月24日火曜日

ヨーロッパトガリネズミの驚くべき冬対策

トガリネズミという動物はご存知?

ネズミと名前が付いているけれど,むしろモグラやハリネズミに近い動物.鼻先が細長く尖っていて,耳や目が小さく,体はビロードのような毛で覆われています.


今日ご紹介するのはこのトガリネズミの驚くべき冬対策.(出典:Scientific American)


原文を読む(トガリネズミの写真つき)


Current Biology誌に発表された研究によると,ヨーロッパトガリネズミは冬が近づくと,頭蓋が8割ほどに縮小して厳しい冬に耐えます.


12匹のヨーロッパトガリネズミを使った研究によれば,気温が下がることが引き金となり,彼らの頭蓋骨(cranial bones)は文字通り分解吸収され,冬の間中縮み続けます.春になり,気候が暖かくなると再生が開始し,頭蓋の大きさは夏に最大となるのです.


縮むのは頭蓋骨ばかりではなく,脳の大きさも30%ほど減少するほか,その他の臓器にも減少が見られ,背骨も短くなります.その結果7月から2月までの間に体重は18%減少します.


このような体の縮小は冬に餌が少なくなることと関係しています.体重が減ることで動物のエネルギー消費が減少するからです.トガリネズミは地上最小の哺乳類ですが,最も高い相対代謝率(relative metabolic rate)を持っているのです.


0 件のコメント:

コメントを投稿